カテゴリ: 人形浄瑠璃

令和6年1月6日は兵庫県立芸術文化センターへ
特別公演「淡路人形浄瑠璃」へ伺いました。
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今回上演されたのは、こちらの演目です。
・口上
・戎舞
・仮名手本忠臣蔵 五段目 二つ玉の段、七段目 祇園一力茶屋の段

面白かったです。
今年の観劇を戎舞からスタート出来たのは嬉しいことでした。

二つ玉はまさかの新九郎1人3役8変化(7変化かも)。
淡路のケレンここにあり!という感じでしたね。
茶屋場も芝居がどっしりとしていて良かったです。

淡路は太夫がとても安定している。
皆さんしっかりした音程、発声、発音で語っているから、
いずれの演目も詞章がすっと耳に入って来て全くストレスが無い。
これってすごく大切なことやと思うのですよ。
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淡路の芝居は年に1回聞けるか否かくらいの頻度でしかないのですが、
今回の公演で、聞き始めて5年となりました。
皆さん、とても良い技芸を、芝居をなさっている。
常設の劇場を持ち、連日舞台に上がって芸を磨くとは
こういうことかと思い知らされたことでした。

新九郎さんは相変わらず色っぽかったけど、
えらいお茶目になっていて、口上から解説まで、
ようけ笑わせていただきました。

良い公演でした。
ありがとうございました。




2023年2月4日は淡路人形座へ。
研究報告・復曲試演会「稀曲の継承『蛭小島武勇問答』」へ伺いました。

▼研究課題・概要・進捗・報告等は下記からご確認いただけます。
人形浄瑠璃における近代以降の伝承の中絶とその復元に関する重点的研究
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▼開催趣旨・作品解説はこちらです。

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この日は、まず久堀先生から研究報告があり、
その後、復曲の演奏=お浄瑠璃の会がありました。

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このお浄瑠璃については、昨年12月に伺った、
「近松半二の浄瑠璃本―全署名62作品と存疑作を辿る―〈第一期〉」
(京都都市立芸術大学 日本伝統音楽研究センター)で
床本や相撲の場面の写真を閲覧、解説を読み、
淡路独自の演目として存在することは知っていました。
※現在第二期開催中です。

復曲されたのは、その次の段、三段目の切。
御前相撲のあと、工藤祐経と河津祐道の間に何が起きたのか
歴史の裏側に「あったかもしれない真実」を
大胆な着想で描き出した力強いファンタジーです。

時代物のええとこ、おもしろいところをギュッと詰め込んだような
聴き応えたっぷりの素晴らしいお浄瑠璃でございました。
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床本はまだ一般公開されていないので詳細は伏せますが
詞章の中に、某雪責や、某道行によく似た文言があって
特に後者は心中物、それが本作では大オトシに相当するため
どないなるんやろと思うてたんですが

実際のお浄瑠璃を聴いて、物語が、節が変われば、
こんなに違うもんなんか、全く別もんやんか、なにこれ凄いやんと
感動させられたことでした。

キュッと引き締まった、イケメンなお浄瑠璃やったなあ。
友和嘉さん、友勇さん素敵でした。

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今回は参加者に対して事前に資料配布があり、
予習として床本を読み込めたのは嬉しかったです。
おかげで当日は義太夫を聴くことに集中できました。

相撲のあたりは、詞章が面白くて、何度読み返しても飽きない。
前段の内容がわかりませんが、もしかして、対になってるんかなとも思うたり。
書いたんは半二あんたちゃうのと妄想したりもしております。

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本研究は今年3月でいったん〆でしょうか。
実施期間4年のうち、3年がコロナ禍にあり、
当初予定どおり進まんことも多かったと推察しますが、
着実に実績を重ね、結果を出されたようで何よりです。

久堀先生、研究者の方々、ご協力者の皆様、お疲れ様でした。

本研究の成果が、人形浄瑠璃、芸能に携わる方々、
それらを育んだ地域にとって、良いものとなりますことを
祈念しております。





12月13日は須磨離宮公園へ。
神戸女子大学古典芸能研究センター特別展示
「写真家 佐藤順子の視た 阿波人形浄瑠璃
に伺わせていただきました。

公式URLはこちらをクリック

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この展示は写真家 佐藤順子氏から作品を受贈したセンターが
「人形とそれをめぐる人々、舞台や楽屋の様子など、
地元徳島以外では未公開の貴重な作品を中心に、「残生」の作品も一部展示」
「また、センター所蔵の「かしら文庫」から、関連する資料も展示」
したものです。※「」内公式URLより。
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写真や資料を通して、阿波に今も息づく、
人々にとってとても大切な郷土芸能としての人形浄瑠璃、
そのエネルギーが感じられる素晴らし展示でございました。

わたくしが特に圧倒されたのが、公式リーフレットに掲載されている
奉納公演(1997年11月日)の写真です。
写し出されている人々の熱気がぶわっと押し寄せてくるかのようでした。

三番叟奉納上演の記録映像も興味深く拝見しました。
戎舞の映像は、音局のリズムというか、テンポが盆踊り歌のようで、
随分楽しい戎舞やなあと思わされたことでした。

古典芸能研究センター蔵「かしら文庫」内の関連資料、
書籍は自由に閲覧できるので、畳に座って阿波のかしら集を
じっくり拝見させていただきました。
(他のゲストがお帰りにならはって閲覧者が自分だけになったので)
阿波のかしらはエネルギッシュでチャーミングで、とても魅力的です。
いっぺん現地で、野外のあの場所で、地元の人々に混ざって
阿波の人形浄瑠璃を聴いて見てみたいものやと思わされたことでした。

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お土産は『伝説・物語の神戸を歩く』。
(展示の受付で販売中。領収書も書いてくれはります)
神戸女子大学古典芸能研究センターの編集らしく、
土地とそこにある伝説、物語を軸に
史実、伝承、古典~近世文学、絵巻、写真に至るまで、
関連する情報をたっぷりと重ね合わせた
マニアックな一冊となっています。
これはお正月にゆっくり読もうと思います。
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◆おまけ

紅葉はもうほぼ終いやけど、お天気も良かったので
ちょっと撮ってきました。(カメラ/Canon SX 620 HS)

▼池に浮かぶ紅葉
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▼午後の陽にキラキラ光る紅葉
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▼山茶花は満開
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どこを撮っても絵になる、
手入れの行き届いた素晴らしい公園です。
また機会があれば伺いたいと思います(*´ω`*)




2022年12月10日は京都府立山城郷土資料館へ
開館40周年記念特別展「南山城の芸能資料と人形浄瑠璃」に
伺わせていただきました。
公式URLはこちらをクリック

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※公式リーフレット掲載の「橋柱寺縁起絵巻 大智寺所蔵」は
奈良地域関連資料画像データベース(奈良女子大学学術情報センター)の
サイトでご覧いただけます。


少し遠方でしたが、行って良かったです。
猿楽座の初見資料から今に至るまで
「郷土芸能の流れ」を当時の資料を通して知る、
貴重な展示であると感じました。

目当ては巽座関連の資料、特に首(かしら)でしたが
それ以外にも、心中宵庚申に関する展示(上田村との縁)、
猿楽の初見資料、翁の詞章や舞の動き(導線図)などもあり、
とても興味深く拝見させていただきました。

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巽座の首の中には薄卵塗り(オレンジの肌)の大団七もありました。
これがあるということは、浪花鑑(団七)や国性爺合戦(和藤内)などが
かかっていたんでしょう。

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これらの首は阿波から役名のついた頭(USED)を
譲り受けた(買うた)ものらしいんですが、
阿波の頭にしては少し寸法が小さかった。
現行の文楽の首よりちっこかったとちゃうかな。

今の阿波の頭は文楽のそれより大きいのですが
そうなる前の時代のもんなんか、それとも別の理由か
この辺はちょっとわかりません。

※文楽は「首(かしら)」阿波は「頭(かしら)」と表記しています。

猿楽、お能に関しては、江戸期のものですが、
翁の詞章「とうとうたらり」の「たらり」の部分が
漢字で書かれたものもありました。

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古い歴史を持つ地域で、常設展示では古墳から出土したものなども
展示されています。郷土の祈りや祭りをまとめた動画も興味深かった。
お茶の町らしく、昔に使われていた茶葉の製造機械を見られたのは
お抹茶好きのわたくしにとって楽しいことでした。
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今回は初めて伺ったということもあり、迷子にならんように、
JR木津駅との往復にタクシーを利用したんですが、
芸能が育まれてきた土地の雰囲気をほんの少しでも感じてみたいので
次に良い機会があれば上狛まで歩いてみたいと思います。





令和4年1月22日は兵庫県立芸術文化センターへ
特別公演「淡路人形浄瑠璃」へ伺いました。
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今回上演されたのは、こちらの演目です。
・戎舞
・口上
・日高川嫉妬鱗 天田堤より渡し場の段・道成寺の段

いずれも淡路独自のプログラムで
とても面白く、良い時間を過ごさせていただきました。

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戎舞

淡路の人形芝居といえば戎舞。
戎様が酒に酔い、大鯛を釣り上げ、楽しく舞い、人々の幸せを祈ります。

今までなかなか戎舞を見せていただく機会がなかったのですが、
今回初めてご縁を頂戴出来ました。

嬉しかったです。
これで今年は大丈夫な気がする。
戎様のようにお酒呑んでにこにこ笑うて暮らしたいものです(*´ω`*)
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口上

新九郎さんは色っぽい。

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日高川嫉妬鱗  天田堤より渡し場の段・道成寺の段

小さなお友だちから大きなお友だちまで、誰もが知る安珍清姫のお話です。

日高川嫉妬鱗は、かつて上演されていた道明寺ものを掘り起こし、
淡路はもちろん、大阪などに現存する様々な床本から情報を取得して
台本をこさえ、補曲、作曲をし、淡路人形座独自の演目として
新たに仕立てたものやそうです。

その辺の詳細はこちらのPDFに記載されていますので
ご興味ある方はご一読下さいませ。
日高川嫉妬鱗 平成27年12月19日 公演プログラム

もともとの伝承、道明寺に伝わる絵巻は国立国会図書館の
デジタルコレクションでご覧いただけます。
道成寺繪巻 【全号まとめ】

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文楽などでは「日高川入相花王」のタイトルで、
もっぱら「渡し場の段」が上演されています。
こちらに笑いどころはほとんどありません。

淡路人形座のほうは、チャリ場をベースに
清姫の悲しみを要所に差し込んだ構成です。
視覚に訴えかけるダイナミックな仕掛けの演出で
笑いとケレンと悲しみを一度に楽しめる
エンタテイメント仕様となっています。

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この日の芝居は、床も手摺もとても良ろしくて
聴き応え、見応えがありました。

淡路の太夫は言葉が聞き取りやすくわかりやすい。
すっと物語に入り込めます。

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「真子庄司愛女 喜代姫」  国芳
南紀ノ日高郷士の娘なるを両親寵愛浅からず 
戯言を真して修験者安珍にせまつて鬼蛇と成既ニ安珍の命を取終んぬ



安定の友庄さん。
友里希さん。とても良かった。
友富士さん、以前、福良で聴いた時よりずっと良くなっていました。
お三味線は安心安定のチーム友勇。
皆さんとてもよろしゅうございました。

手摺

新九郎さんはやっぱり色っぽい。
史興さん、徳蔵さんも楽しかったです。
エンディングの白い清姫と大蛇は悲しく美しいことでした。

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淡路人形座は福良に劇場を持ち、特別公演で外出している時以外は
週6日(水曜日休館)、朝から夕方まで人形浄瑠璃を上演しています。
※年末年始等の休館日別途有

淡路人形座のウェブサイトはこちらから

バックステージツアーなどもありますし
ご興味のある方は、ぜひぜひ、ご旅行がてらお出かけ下さいませ。

2022年3月13日(土)には、洲本市文化体育館で
「夢の競演シリーズ N響に弦が歌い、人形が踊る」が開催されます。
N響と初競演とのこと。
良い公演になりますように。




2月22日は淡路人形座へ
淡路人形綸旨宣下450年記念公演に伺いました。

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第二部は「播州皿屋敷」の解説そして上演です。

まず最初に、理事長からご挨拶代わりに
子供の頃の肝試しのお話がありました。
それが落語のようにおかしくて、よう笑わせて頂きました。

その後は久堀先生から演目の解説。
この人形浄瑠璃は昭和十年以来上演が途絶えていましたが
「青山館」を平成28年に淡路人形座が復活上演、
そして「忠太物狂い」を今回新たに復曲、上演とのことでした。

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青山館

床は昨年夏の道春館に引き続き友庄さんVS友勇さんの鉄板ペア。
このお二人の浄瑠璃は安心して聴けます。
とても良かったです。

手摺も皆さん良かったのですが
特に史興さんの鉄山は迫力がありました。

井戸に浮かぶ人魂

怨霊となったお菊に遠隔で首根っこを掴まれ
前にバックする鉄山のムーンウォーク

屋敷が唸るポルターガイスト

怪談エンタテイメントの王道を
満喫しながら舞台は忠太物狂いへと。

忠太物狂い

友吉さん率いる浄瑠璃の音曲に合わせて
繰り広げられる新九郎さんオンステージ。

お菊の怪しい姿と
エンドレス・イリュージョンで同じ場所を逃げ回る
忠太の滑稽な姿が、ふわっと怖く、面白い。

そして期待を裏切らない
エンディングのお菊ラスボス怨霊化。

淡路のケレンを存分に楽しませて頂きました。

有難うございました(*´ω`*)





2月22日は淡路人形座へ
淡路人形綸旨宣下450年記念公演に伺いました。

公演は2部構成、内容は下記です。
1部:市民講座、並びに、式三番叟の上演
2部:「播州皿屋敷」の解説、上演

まずは第一部のことを、自分の備忘録&メモ的に
このエントリーに書きたいと思います。

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淡路人形の起源と「綸旨」

淡路の人形浄瑠璃の歴史は、淡路人形座のウェブサイトに
詳しく紹介されているので、ぜひこちらをご一読下さいませ。

淡路人形浄瑠璃の歴史(淡路人形座ウェブサイト)

今回のレクチャーは主に「綸旨」について、
久堀先生からお話いただきました。

この綸旨がどういうもので、どういう役割を果たしたかは
こちらのニュースで分かりやすく解説されています。

「綸旨」授かり450年 淡路人形浄瑠璃資料館で展示(神戸新聞NEXT)

下記は自宅に戻ってから探した淡路の人形浄瑠璃に関する資料です。
備忘録としてここに記録しておきます。

淡路古今紀聞(国立国会図書館デジタルコレクション)

淡路人形芝居・兵庫県教育委員会(マンガで解説されていてわかりやすい)

能勢の人形浄瑠璃における創造性2 : 文楽、淡路・阿波の人形浄瑠璃との比較を中心に
松浦伸吾/大阪音楽大学(国立国会図書館デジタルコレクション)


式三番叟

レクチャーの次は式三番叟の上演。
能の演目として有名な式三番(翁)は、能のみならず、
日本全国に伝わる郷土芸能、神事、そして舞踊等に受け継がれています。
翁が舞い天下泰平を、三番叟が舞い五穀豊穣を祈るのです。



式三番は不思議な演目です。
その起こりに関しては、「風姿花伝 第四 神儀云」に記述されていますが、
この詞章とうとうたらりたらりら~」の意味は、世阿弥の時代ですら、
よくわかっていなかったようです。
※申楽談儀(未読)に「ようわからん」と、書いてあるらしい。

各地に伝わる詞章(全文)に多少の違いはありますが、

 とうとうたらりたらりら。たらりあがりららりとう。
 ちりやたらりたらりら。たらりあがりららりとう。

この不思議なフレーズは共通で(たぶん)
何百年という時を超えて、日本中で謳われ続けているのですね。

私はこの詞章の響きが好きです。
とても心地よく感じる。

「よくわからない」けれど「語り継がれている」フレーズが
重要な意味を持つ、ある日、世界を変えるような作用を起こす
というのは、幻想的な創作物によくある仕掛けですが

淡路の式三番叟を聞き、その舞を見ながら
案外、これはリアルでそういうものなんかもしれん、
古から日本全国に伝わるこの不思議な詞章、そして舞が、
この国を護ってるんかもしれんなあ、
そんな事を、ぼんやり思うておりました。

資料:大蔵虎明筆『式三番』高桑いづみ著 東京文化財研究所
(国立国会図書館デジタルコレクション)


福良八幡様へお参りに

講座の前には、福良八幡様へ参らせていただきました。

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雨上がりで、所々水たまりの出来たこの石段、
どうやって上り下りしたもんか、悩んだんですが
人がおらんのをエエことに、着物の裾を膝までめくりあげて
ソロリソロリと(〃∇〃)。

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3度目の福良訪問で、やっとご縁が頂けて嬉しい限りです。
そのお礼と、ご挨拶をさせていただきました。

御神籤は末吉
これは持ち帰り、今も時々、読み返しています。

良いお参りをさせていただきました。
有難うございました。


12月22日は南あわじ市にある淡路人形座へ。
第1回 豊澤町太郎師(とよさわまちたろう し)の浄瑠璃録音を聴く会
「奥州秀衡有鬠壻(おうしゅうひでひらうはつのはなむこ)
鞍馬山の段(くらまやま の だん)」を、聴きに伺いました。

これは令和元年文化庁「地域文化財総合活用推進事業」の
市民講座やそうですが、こういう企画が成立するのは、
地域の底力というか、蓄積されたコンテンツ力があるからに他ならず
何ともすごいことやなと、思わされたことでした。


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町太郎師による録音の経緯

1970年、国立劇場民俗芸能公演「淡路人形芝居」をきっかけに、
翌1971年、早稲田大学演劇博物館が「文楽には無いもの
(残っていないもの)の録音を町太郎師に依頼します。
その後1971年から数年をかけて多くの演目が録音されました。

今回はその中からこの段の口をピックアップして解説、
録音を鑑賞しましょうという講座(会)でした

講座の内容

講座では、久堀先生が床本全文に注釈を併記したレジュメを
解説しながら、まさかの全文講読。

今回は先生が床本を読み、注釈をつけて行く中で、
ご自身も勘違いをしていた部分があったということで、
そのへんも含めた、かなり丁寧な解説をお伺いし、
その後に、町太郎師による弾き語りの録音を拝聴するという、
随分と贅沢な内容でした。

淡路人形座 演目あらすじ:奥州秀衡有鬠壻 鞍馬山の段へリンク

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写真:淡路人形座


物語の筋はシンプルでわかりやすいものです。
ただ、浄瑠璃の中に、古典からの引用やパロディ、
言葉遊びなどがあって、それらを知れば知るほど味わい深く、
ところどころで「うふふ」と笑えて面白い。

お三味線の師匠による義太夫弾き語りを聴いたのは初めてでしたが
古い録音にも関わらず、滑舌がよいせいか、言葉がとてもわかり易く、
また、人物も語り分けられていて、どっぷりと、その世界に
はまり込ませて頂くことが出来ました。

次回はぜひ、人形芝居で聴いて見てみたいです。
淡路人形座で上演されるのを楽しみにしています。

*****

講座のことは、人形遣いさんのツイッターで知ったんですが
当初すでに別の予定があり、諦めておりました。
ですが急遽、日程変更となり、これなら行ける!と
参じた次第です。

行きのバスでは仕事の段取りばかり考えていましたが
帰りのバスでは、頭の中で、クリスマスソングを
メドレーで鳴らしておりました。
(なんで浄瑠璃ちゃうねんというツッコミはナシで(〃∇〃))

講座を聴いて、頭から仕事を離したおかげで、
随分リラックスできたんやと思います。
おかげで、一足お先の、良いクリスマスになりました。

淡路人形座の皆様、久堀先生
この度はお世話になりました。

有難うございました。

*****

【お礼】
人形座から出た後、エレベータでご一緒した年配の紳士に
高速バスの乗り場をご案内頂きました。
人形座とバスの乗り場は向かい合わせの位置にあるんですが
辺りが暗くて、よく見えず、お尋ねした次第です。
雨の中、ご親切に、有難うございました。

【お土産】

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お土産は淡路人形せんべいです。
他人のような気がせず思わず買うてしまいましたとさ(〃∇〃)



9月8日は文楽劇場へ
ふるさとの人形芝居2日目「淡路人形芝居」に伺いました。

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お席3列26番にて

衣装山

2月に淡路で見せていただいた山よりも大きく
とても見応えがありました。
写真撮影禁止というのも良かったと思います。
やはりこういうものは、じっくり衣装に注目したい。
着物好きにはたまらない演出です。

玉藻前曦袂
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国立国会図書館デジタルコレクション書誌ID:000000508453
玉藻前曦袂 浪岡橘平 等著 金桜堂/明治25年7月出版

道春館の段

好きな一段です。
大きな動きはありませんが、
登場人物それぞれが胸に抱えた思いをしっかり表現されていた。

人形がいいですね。
淡路独特の大きな首に合わせて、当然動きも大きいのですが
それを感じさせる事なく、深く静かな悲しみを描き出す。
クライマックスでは、その大きさを存分に活かして
ダイナミックに演出する。

友庄さん、友勇さんも良かったです。

友庄さんは、2月に金殿の段を聴かせて頂いた時、
ええ太夫さんがいてはるなあと思うていたのですが
今回も変わらず、良い義太夫を聴かせていただきました。

少し話しがそれますが、淡路のだんじり唄は
数十人の歌い手さんが、役割分担をして、一段を歌い切る。
ソロパートは当然、皆さん全力で唄い語るわけで、
それはそれは見事です。玉三(玉藻前曦袂三段目=道春館)
金藤次のクドキなど、それだけで泣けるほど凄い。

そんな歌い手さんが山のようにいる淡路島で太夫をする、
こういう数十人の唄以上の語りを一人でする、
DNAレベルで聞く耳を持った人たちが認める語りをする
というのは、凄いプレッシャーやと思うんですが
それゆえに、淡路の太夫さんは強くなるんやろなあと
思わされたことでした。

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国立国会図書館デジタルコレクション書誌ID:024153801
安倍泰成調伏妖怪図 香蝶楼豊国,豊国

神泉苑の段

面白い。
あの大きな狐の登場から玉藻前の狐面、
そして神鏡の威力で狐退治まで。

悪役が若い娘に近づくも、実はその娘は狐で
ほなら一緒に悪さしよう、権力を掴もうと企てるも
ヒーローに神様の鏡でやっつけられるという

SFエンターテイメントの王道を行く
ケレンの世界を存分に楽しませて頂きました。

太夫の友和喜さん、お三味線の友弥さんもヨカッタ。
こういうお姫さんとか、妖狐とかのフィクションは
女義の声が登場人物にしっくり重なって
エンタメ度もパワーアップするなあと、
思わされたことでした。

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国立国会図書館デジタルコレクション書誌ID:000000506588
絵本三国妖婦伝 下編 高井蘭山 著 出版 木村文三郎 明治17年11月

狐七化けの段

狐七化け=新九郎さんオンステージ。
淡路のケレンと、新九郎さんご本人の魅力を存分に楽しめる。

お唄もとても楽しく、そしてちょっと色っぽく
こういう歌詞や、それに合わせた遣いは
世界中何処へ行っても楽しまれるやろなあと思いながら、
聞いて見ておりました。

エンディングは、まさかのフライングフォックス。
華やかな幕切れに、劇場中に拍手が響き渡った。
お見事でございました。

床も皆さん、しっかり揃っていてヨカッタです。

人形は、新九郎さんの見事な遣いに引き込まれるのはもちろん
遣い手さんご本人の魅力も凄いというか。
人形の遣いに重ねて、遣い手さんにまで色気を感じるやなんて
こんなこともあるんやなあと、正直びっくりしてしまいました。

新九郎さんは、人形遣い+役者の両方をなさってるんかな
それはそれで、素敵な事やなあと、思わされた事でした。


************************

淡路の人形芝居が文楽劇場でかかるのは
今回が初めてということで、
劇場の大きさを生かして、
どんな演出をなさるのか
とても楽しみでしたが、
期待以上に、楽しませて頂きました。

またぜひ大阪、文楽劇場で
淡路のケレンを存分に楽しめますように(^人^)

淡路人形座の皆さん、有難うございました。




8月27日は文楽劇場小劇場へ
第8回民俗芸能公演プレ講座「淡路人形芝居の世界」に
伺いました。

支配人坂東さんのお話、古い淡路人形芝居の記録フィルム、
新九郎さん自ら遣&解説下さった文楽人形と淡路の人形との違いなど、
とても興味深い講座で、すっかり楽しませていただきました。

道春館が淡路の人形芝居、淡路の人たちにとって、
どれほど人気がある演目か、

また、ふとん太鼓(ふとんだんじり)の時に歌われる
浄瑠璃のエッセンスを凝縮した「だんじり唄」のお話など、
もっと詳しく聴きたかったです。

なおこの時の講座と、ほぼ同じ内容のインタビュー記事が
文楽劇場のウェブサイトにアップされていますので
ご興味のある方はぜひぜひご一読下さいませ。

『「ふるさとの人形芝居」9月8日に単独でご出演の
淡路人形座支配人の坂東千秋さんに、上演する『玉藻前曦袂』の
魅力などを伺いました。』

9月7日、8日の公演は
「衣裳山」「玉藻前曦袂(道春館の段/神泉苑の段/狐七化けの段)」。
衣装山は2月に淡路で見せていただいたものより、
もう少し枚数が増えるとのこと。
狐七化けの段は7つの早変わりは今から楽しみです。

なお、玉藻前曦袂に関しては淡路人形座さんのウェブサイトで
あらすじや見どころなどが解説されています。

玉藻前曦袂 道春館の段
玉藻前曦袂 神泉苑の段
玉藻前曦袂 狐七化けの段

ウチも事前にちゃんと読んで勉強して行こうと思います(*´ω`*)

淡路だんじり唄

今回の講座でウチ的に一番興味深く感じられたのが
浄瑠璃のエッセンスを凝縮しただんじり唄のお話です。
家に戻って調べたところ、Ytubeに大人から子どもまで
いろんな世代の方たちの歌う動画が上がっていたので
聴かせていただきました。

9月に道春館をやっていただけるので
特に「玉三(玉藻前曦袂三段目=道春館)」を
じっくり聴かせて頂いたのですが

泣いた(´;ω;`)ウッ…

 コリャ娘 コリャ 父じゃわやい
 なぜ なぜもの云うては くれぬぞ

まさかだんじり唄で泣かされるとは思いませんでした。
あまりにも素晴らしかったので
動画を下記に紹介させて頂きます。









 

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