文楽とか浄瑠璃とか

文楽のことなど徒然に

カテゴリ: 資料的なもの

源平布引滝 九郎助住家の段 登場人物相関図、描きました。
PDFファイルはこちらからご覧いただけます。
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作品概要
題 名:源平布引滝
作 者:並木千柳 三好松洛
初 演:寛延二年(1749年)
    大坂竹本座
分 類:時代物 

床本集
源平布引滝 
三段目 矢橋(やばせ)の段
    竹生島遊覧の段
    九郎助内の段
四段目 音羽山の段
    松波琵琶の段
    紅葉山の段

※出典:ようこそ文楽へ-鶴澤八介メモリアル 「文楽」ホームページ

主な登場人物とかしら名(※1)

斉藤実盛    文七(ぶんひち) 
瀬尾十郎    大舅(おおしゅうと)
百姓九郎助   武氏(たけうじ)
九郎助女房   婆(ばば)
葵御前     老女形(ふけおやま)
倅太郎吉    男子役(おとここやく)
矢橋仁惚太   端敵(はがたき)

※令和2年10・11月公演パンフレットより

資料
国立国会図書館デジタルコレクション 源平布引滝:5巻
著者:春英 画 出版者:村田屋次郎兵衛 出版年:寛政年間


相関図参考文献
1) 第133回文楽公演 平成26年1月 
     プログラム・床本
2) 第147回文楽公演 平成29年7, 8月 
     プログラム・床本
3) 第160回文楽公演 令和2年10,11月 
     プログラム・床本





8月27日は神戸女子大古典芸能研究センターへ
展示「床本 太夫が見る本 ー四世竹本相生太夫旧蔵資料を中心にー」を
見に伺いました。

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この展示は、センターが受贈した
四世竹本相生太夫旧蔵資料を中心に、
関連する書籍・資料、解説を公開したもの。
タイトルにある通り、展示の大部分は実際に使われた床本です。

文楽劇場などでも床本の展示はありますが
これほど多くの「生きた床本」を一度に見たのは初めてで、
そのエネルギーにすっかり圧倒されてしまいました。

図録はこちらからPDFでご覧いただけます。

展示物につけられた解説も丁寧で
床本というもの、そして、
展示されている床本が使われた当時への理解も
深まると思います。
ご興味のある方、ぜひぜひお運び下さいませ。

閲覧無料。
詳細は神戸女子大古典芸能研究センターのウェブサイトから



◆おまけ

センターへの行きしなに、生田神社に寄りました。

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御神籤は小吉
若い女の子たちがキャッキャしながら
水みくじ(恋みくじ)を手にする傍らで
静かに普通の御神籤を引くわたくしなのでありました(´・ω・`)

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源平合戦の舞台となった生田の杜散策は
涼しくなってからのお楽しみに取り置きし、
午後は大阪に戻って八軒家へ。

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あひるちゃんかわゆす(*´ω`*)

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この常夜燈は
大阪市立大学学術情報センター所蔵の資料から
復刻されたものやそうです。
(湯浅富一・禮子夫妻が再建・寄贈)

オリジナルはこちらです
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大阪市立図書館デジタルアーカイブ
管理番号: d2129001 書誌ID : 0080349621

つい100年ほど前はこんな感じやった場所に
今はあひるちゃんが浮いてるんやなあ。

100年後はどないなってるんかしら。
幸せな風景でありますように(^人^)



8月13日、お盆の入に梅田墓発掘調査に関するプレスリリースがありました。

[大阪市公式]
報道発表資料 大坂七墓のひとつ「梅田墓」の発掘調査で
1,500体を超える埋葬人骨が見つかりました


今回の発掘調査箇所はこのあたりやそうです

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出典:大阪市役所ウェブサイト

この調査地がどのあたりになるのか、
グーグルマップを使って、
文久3年(1863年)の古地図に重ねて見てみました。

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「曽根崎心中」で、お初と徳兵衛は梅田橋で契り
南の茶屋をかえりみて梅田堤を急ぎ曽根崎の杜へ向かう
と、記述があるので、こんな感じになるんかなと。

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今の地図に重ねるとこうなる。

この墓地の事は「曽根崎心中」「心中天網島」にも書かれていると
ニュースで初めて知って(ノ∀`)あわてて原作を読み返しました。

該当箇所はここやね。

曽根崎心中(道行き)

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出典:新潮日本古典集成/近松門左衛門集 校注:信多純一(S61/10/10発行)

心中天網島(河庄)

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出典:新潮日本古典集成/近松門左衛門集 校注:信多純一(S61/10/10発行)

発掘調査が進むにつれ、
大坂という町の人々の暮らしや風習、歴史など
多くのことが明らかになってくるのでしょうね。

その結果として、浄瑠璃に描かれている世界の
新たな解釈も生まれるかもしれん。
そう思うと、ドキドキします。
良い調査になりますように(^人^)

◆おまけ

今回の発掘がお盆の入というのは何かの縁を感じます。
場所柄、奉公人や遊女など、田舎から出てきて
親族に会うこともなく亡くなった人も
多く埋葬されてたでしょうし。

この調査をきっかけに名もなき人の生きた証を
多くの人が知ることになったのは、
何らかの意思があるんかも。

ちょうど盂蘭盆会で、皆、帰ってきてるから
お出会いしたかった人と再会なさったんやないでしょうか。

良い盂蘭盆会を過ごして、幸せにお戻り下さいますように(^人^)





傾城反魂香(けいせいはんごんこう) 土佐将監閑居の段 
登場人物相関図を描きました。
※写真が入ってるのが、この段の登場人物です。
PDFはこちらからご覧いただけます。
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作品概要
原作:けいせい反魂香
作者:近松門左衛門
初演:宝永5年(1708年)大坂竹本座
改作:名筆傾城鑑
   吃の段=土佐将監閑居の段
作者:吉田冠子、中邑閏助(中邑阿契) 三好松洛
初演:宝暦2年(1758年)大坂竹本座
分類:時代物 
構成:三巻

あらすじ解説
み熊野ネット 浄瑠璃「傾城反魂香」

床本集
傾城反魂香 「土佐将監閑居の段」

※出典:ようこそ文楽へ-鶴澤八介メモリアル 「文楽」ホームページ

図書館デジタルアーカイブ検索結果
国立国会図書館デジタルコレクション「傾城反魂香」検索結果
大阪市立中央図書館デジタルアーカイブ「傾城反魂香」検索結果

主な登場人物とかしら名(※1)

土佐将監     鬼一(きいち)
浮世又平     又平(またへい)
女房おとく    老女形(ふけおやま)
狩野雅楽之介   源太(げんだ) 
将監女房     婆(ばば)
修理之介     若男(わかおとこ)

※令和2年初春公演パンフレットより

けいせい反魂香VS名筆傾城鑑の主な相違点
(参考文献1より)

1)女房の名 けいせい反魂香:なし/名筆傾城鑑:おとく
2)雅楽之介の注進内容
3)エンディング吃りが治る部分の増補
  (床本 将監声かけ、待て/\両人以下段切まで)

み熊野かげろふ姿 冒頭

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【意訳】
惜しくてたまらない。夜が明けてしまうのが。
今こうして私たち夫婦の間に咲いている花ですら
ただ一夜の夢の景色でしかないというのに
何も知らない夫が哀れで悲しく
私には泣くことしかできない。
昔は朝の身支度に、髪や裾に留めては
そよ吹く風に香りを漂わせ色めかせた香も
今は線香として香炉に立ち
反魂香として、くゆっているなんて。

参考文献・講座・ウェブサイト

1) コテンゴテン作品解説講座@鬼鳥庵(2020年1月12日)
   「祝襲名!傾城反魂香」聴きどころ見どころ
    講師:大阪市大 久堀裕郎教授 
2) 第157回文楽公演 令和2年1月プログラム・床本
3)鑑賞日本古典文学〈第29巻〉近松:大久保忠国編(昭和50年/角川書店)
4)み熊野ネット 浄瑠璃「傾城反魂香」


心中天網島 登場人物相関図 描きました。
PDFファイルはこちらからご覧いただけます。

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作品概要
題 名:心中天網島
作 者:近松門左衛門
初 演:亨保5年(1720年)12月6日 
初演座:大坂竹本座
分 類:世話物
構 成:三巻

あらすじ解説
文化デジタルライブラリー 近松門左衛門 心中天網島
文楽ポータルサイト 楽文楽 らくぶんらく 心中天網島

床本集
北新地河庄の段
天満紙屋内の段
大和屋の段
道行名残の橋づくし

※出典:ようこそ文楽へ-鶴澤八介メモリアル 「文楽」ホームページ

図書館デジタルアーカイブ検索結果
国立国会図書館デジタルコレクション「心中天網島」検索結果
大阪市立中央図書館デジタルアーカイブ「心中天網島」検索結果
レファレンス協同データベース/レファレンス事例詳細/「心中天網島」について知りたい。

主な登場人物とかしら名(※1)

紙屋治兵衛    源太(げんだ) 
紀の国屋小春   娘(むすめ)
女房おさん    老女形(ふけおやま)
粉屋孫右衛門   孔明(こうめい)
江戸屋太兵衛   陀羅助(だらすけ)
五貫屋善六    手代(てだい)
倅勘太郎     男子役(おとここやく)
娘お末      女子役(おんなこやく)
おさんの母    婆(ばば)
舅五左衛門    舅(しゅうと)
丁稚三五郎    丁稚(でっち)
下女お玉     お福(おふく)

※令和元年11月公演パンフレットより

舞台となった場所
※現在も訪れる事が出来る場所

心中天網島「地図で見る道行き名残の橋づくし」
※文化デジタルライブラリー 近松門左衛門 

外題(タイトル)について(※1)

外題に関して、「心中天網島」の「天の網」は
「天網恢恢疎にして漏らさず」から来ているという解説を
よく見かけますが、それだけでは少し言葉足らずではないかと
感じます。
下記に鑑賞日本古典文学〈第29巻〉近松から、
大久保忠国先生の解説をご紹介します。
近松は決して心中を冷たい目で見てはいないということが
よく分かるかと。ぜひご一読下さいませ。

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出典:鑑賞日本古典文学〈第29巻〉近松 P262-263
大久保忠国編(昭和50年/角川書店)

参考書籍(※1)

心中天の網島 廣末保著(S58/3 発行)
鑑賞日本古典文学〈第29巻〉近松 大久保忠国編(S50/角川書店)
新潮日本古典集成/近松門左衛門集 校注:信多純一(S61/10/10発行)
演劇界増刊 近松門左衛門の世界 (S61/7/15発行)

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凡例

無し:2019/11/13更新
※1:2019/11/27追記



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