文楽とか浄瑠璃とか

文楽のことなど徒然に

カテゴリ: 浄瑠璃

11月24日は淀屋橋の大阪倶楽部へ
咲くやこの花コレクション「鶴澤寛太郎 文楽三味線の世界」へ伺いました。
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この会は、寛太郎君の「平成30年度/咲くやこの花賞」受賞を記念して
開催されたものです。

第一部は、寛太郎君とラジオ大阪アナウンサー藤川貴央さんの
トークセッション。

お二人は中学校の同級生だそうで、そのご縁で、
2020年5月から、ラジオ大阪で水曜夜(23:30-23:45)に
寛太郎とたかおのツレビキ!」という番組をなさっています。

今回のセッションでは、お若い頃の思い出なども交えて
色々楽しいお話を聴かせていただきました。

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第二部は錣さんVS寛太郎君で素浄瑠璃「日吉丸稚桜 駒木山城中の段」。
8月の素浄瑠璃の会と同じ演目です。

錣さんは絶好調&大迫力。

寛太郎君は8月とは打って変わって力強いお三味線。
後半、声を出してからあとは、激しゅうございましたね(;´∀`)

初春文楽公演は喧嘩の段。
小住ンとの戦い、期待しています。
良いお浄瑠璃を聴かせて下さいますように。

寛太郎君、この度の受賞まことにおめでとうございます。
これからのご活躍を心より祈念しております。






10月31日は西宮の白鷹禄水苑さんへ
第四回 酒都で聴く女流義太夫の会
「女流義太夫人間国宝 竹本駒之助を聴く」に伺いました。

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会は、もともと7月に予定されていましたが
皆様ご案内の事情で、10月31日に延期されたものです。

会場は、手指の消毒、検温、マスク着用は勿論
参加者全員にフェイスシールド配布、
十分な換気、客席間の距離も空くなど
万全の感染症防止対策がとられていました。

開催に至る経緯、今回の会がどのようなものであったかは
白鷹禄水苑さんのイベント後記を、ぜひご一読いただければと思います。

◆白鷹禄水苑イベント後記
「第4回酒都で聴く女流義太夫の会 人間国宝 竹本駒之助を聴く」


駒之助師匠、津賀花さん、駒清さんの
お浄瑠璃は、とても素敵でした。

師匠が素晴らしいのは勿論ですが
お三味線のお二人が本当によろしくて。

猿廻しが楽しくなればなるほど広がる悲しみ。
段切近くの「アヽよい女房ぢゃに」が、
わたくしのクライマックスでございました。

至芸を堪能したあとは、
お土産に吟醸の小瓶を買うて帰路につき
夜はそれを飲みながら、お昼間の浄瑠璃を思い出し
沼におぼれておりました。

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良い時間を過ごさせていただきました。
有難うございました(*´ω`*)




8月28日は文楽劇場へ
若手素浄瑠璃の会へ伺いました。

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若手会は常にチケットの争奪が激しいのですが
今回はご案内の事情にて73席しかなく
先行予約開始直後にソールドアウト。
なんとか1枚、ゲット出来たのは
幸せなことでした(*´ω`*)

そんな「プラチナチケット」の会は
文楽の未来を感じさせる、とても素晴らしいものでした。

お席6列13番にて。

◆一谷嫩軍記 組討の段
(いちのたにふたばぐんき くみうちのだん)

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清志朗さん、最初から最後まで、
お三味線が立っていて素晴らしかったです。
力強く、美しく、聞き惚れておりました。
音のない「間」の静寂もよろしくて
ドキドキしておりました。

碩君、2月の霜乃会から半年、まるで別人でした。
全力でぶつかってきやはった。
お稽古も、気張りはったんやなあ。
この方の成長がほんまに楽しみです。

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◆菅原伝授手習鑑 寺子屋の段
(すがわらでんじゅたならいかがみ てらこやのだん)

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芳穂さんとてもよろしゅうございました。

幕が上がった時のお顔つきがいつもと違う気がして
少し恰幅が良うならはったかと思いましたが
お気持ちがお顔に出てはったんやね。

寺子屋は菅原伝授手習鑑のクライマックス。
難しい一段やと思います。
ですが、しっかり語られました。
今までの芳穂さんとは、良い意味で、大きく違った気がする。
これからのご活躍が楽しみです。

友之助君、「一撥に宿る意味」を考えて
弾かれているのがよくわかりました。
手の多いところは良い感じに弾かれていた。
これからも、どうぞご精進あそばして
良いお三味線方さんになられますように。

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◆今後の公演が無事に開催されますように

9月は東京公演、10月は地方公演、
その後、10~11月には大阪で綿秋文楽公演が予定されています。

どうか何事もなく、全てが無事に開催されることを
願ってやみません。

技芸員の皆様、ご関係者の方々のご健勝をお祈りしております。
必ずお元気でいて下さいますように。

一日も早く、文楽や浄瑠璃が楽しめる
いつもどおりの毎日が戻って来ますように。




8月27日は神戸女子大古典芸能研究センターへ
展示「床本 太夫が見る本 ー四世竹本相生太夫旧蔵資料を中心にー」を
見に伺いました。

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この展示は、センターが受贈した
四世竹本相生太夫旧蔵資料を中心に、
関連する書籍・資料、解説を公開したもの。
タイトルにある通り、展示の大部分は実際に使われた床本です。

文楽劇場などでも床本の展示はありますが
これほど多くの「生きた床本」を一度に見たのは初めてで、
そのエネルギーにすっかり圧倒されてしまいました。

図録はこちらからPDFでご覧いただけます。

展示物につけられた解説も丁寧で
床本というもの、そして、
展示されている床本が使われた当時への理解も
深まると思います。
ご興味のある方、ぜひぜひお運び下さいませ。

閲覧無料。
詳細は神戸女子大古典芸能研究センターのウェブサイトから



◆おまけ

センターへの行きしなに、生田神社に寄りました。

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御神籤は小吉
若い女の子たちがキャッキャしながら
水みくじ(恋みくじ)を手にする傍らで
静かに普通の御神籤を引くわたくしなのでありました(´・ω・`)

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源平合戦の舞台となった生田の杜散策は
涼しくなってからのお楽しみに取り置きし、
午後は大阪に戻って八軒家へ。

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あひるちゃんかわゆす(*´ω`*)

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この常夜燈は
大阪市立大学学術情報センター所蔵の資料から
復刻されたものやそうです。
(湯浅富一・禮子夫妻が再建・寄贈)

オリジナルはこちらです
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大阪市立図書館デジタルアーカイブ
管理番号: d2129001 書誌ID : 0080349621

つい100年ほど前はこんな感じやった場所に
今はあひるちゃんが浮いてるんやなあ。

100年後はどないなってるんかしら。
幸せな風景でありますように(^人^)



昨日8月22日は国立文楽劇場へ
第23回 文楽素浄瑠璃の会に伺いました。
文楽劇場、半年ぶりの公演再開です。

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プログラムは3本とも「立場が引き裂く縁」を
描いていたと思います。
ただ、いずれも、明るい未来があるお話です。

「駒木山城」は加藤清正の誕生、そしてこれからの活躍が。
「宿屋」は朝顔に起きる奇跡が。
「重の井子別れ」は三吉に幸せな未来が(あると思うてる)。

※「恋女房染分手綱」の筋を知らんので
 「丹波与作待夜の小室節」を自分勝手に重ねて未来予測。

だから安心して聞けば良いものを
語られる場面は悲しく切なく
先を忘れてその世界に入り込み
終演後は心地よく泣き疲れておりました。

以下、簡単に個人的備忘録を。

◆日吉丸稚桜「駒木山城の段」
ひよしまるわかきのさくら「こまきやまじょうちゅうのだん」
奥、お政の出から段切まで
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錣さん、寛太郎くんの初タッグ。

錣さん、強かった。

五郎助の娘を思う親心と斎藤家に対する義理が交差し
ついには父娘ともに悲しい最後を遂げる。

メガネを外して聞きながら、
ぼやけた輪郭だけの舞台に
五郎丸の姿を見ておりました。

寛太郎くん、出だし、すこし小さく感じました。
最初の掛け声が、私には突拍子もなく聞こえた。
ですが、その後は、お三味線が立って
次の掛け声からは段切までとてもヨカッタです。
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出典:国立国会図書館デジタルコレクション
絵入倭文範百段集. 下 書誌ID:000000491558

◆生写朝顔話「宿屋の段」
しょううつしあさがおばなし「やどやのだん」

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咲様 お元気そうで安心しました。
咲様と燕三さんのお浄瑠璃はいつもながら美しく
安心して最後まで聞かせていただける。

燕二郎くんの琴
儚く哀れで、とてもよろしゅうございました。
何度か聞いてるはずやのに、
こんな調べやったかしらと
ほうとしたことでした。

段切は、お願い待って、咲様、床本 畳まんといて
そのまま大井川まで語り抜けてと、
心の中で悶ておりました。

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出典:立命館大学アート・リサーチセンター浮世絵データベース
AcNO: arcUP0478

◆恋女房染分手綱「重の井子別れの段」
こいにょうぼうそめわけたづな「しげのいこわかれのだん」

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一番楽しみにしていた演目です。

文楽・浄瑠璃ビギナーなわたくし。
この有名な段を聞くのは今回が初めてでした。

近松の原作にあるこの箇所は繰り返し読んでいて
楽しい双六からの悲しい別れに、何度読んでもウルウルし
ここはどんな節がついてるんかしら
三吉はどんな声なんかしら
馬子唄はどんな歌なんかしらと
貧弱な想像力を駆使して妄想し
はよう聞きたい、見たいと、ずっと思うておりました。

で、今回その予習妄想の答え合わせとなったわけですが

千歳さんと清介さんの聞かせてくれた答えが
聞いてる最中も、劇場を出た後も
家に帰って飲み始めても
まるで高波のように押し寄せて
昨日はずっと、溺れかけておりました。

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出典:立命館大学アート・リサーチセンター浮世絵データベース
AcNO: BN0382942X-1-14

三吉というのは「じゃりン子チエ」に出てくる
コケザル君に輪をかけたようなスレた子で
煙草ものめば、双六(博打)も打つ。
運命に翻弄されながらも、たくましく、
泥まみれで生きる自然薯です。

そんな自然薯、唯一の純真が両親と共に暮らすこと。
その夢のためなら、自分は身を粉にして働いて
2人を養うとまで言う。

けれど、実母である重の井によって、
その純真は泥の中へと埋められてしまいます。

重の井の「奉公の身の浅ましさ」。
生きるためにスレたばかりに、
大人の事情もわかる三吉の哀しさ。

同じ乳で育った姫の
綺羅びやかな輿入れの伴として
泥に塗れ馬子唄うたう自然薯。
その姿を見守ることしかできひん重の井。

 坂は照る/\、鈴鹿は曇る。
 土山間の間の、土山、雨が、降る
 降る雨よりも親子の涙なかに、しぐるゝ、雨やどり

素晴らしいお浄瑠璃にございました。
ありがとうございました。

◆公演動画有料配信

この公演は動画の有料配信があります。
詳細は国立文楽劇場のウェブサイトからご確認下さい。
◆感動を身近に!「文楽素浄瑠璃の会」を配信にてお楽しみいただけます。

◆公演プログラム

公演プログラムは文楽せんべいさんのオンラインショップから
オーダーいただけます。
◆第23回文楽素浄瑠璃の会 公演プログラム

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こちらのプログラム、大阪市大、久堀裕朗先生の
演目解説・あらすじが充実しています。
聞き所は少々マニアックに、お三味線の手まで解説されてる。
読み応えある一冊です。
有料配信のお供に、予習復習の参考書に、浄瑠璃を知る入門書に、
ご興味のある方、ぜひお手元にお取り寄せ下さいませ(*´ω`*)

◆今後の公演が無事に開催されますように

次週は若手会、9月は東京での文楽公演
そして10~11月には大阪で綿秋文楽公演が予定されています。
どうか何事もなく、全てが無事に開催されますように。

技芸員の皆様、ご関係者の方々のご健勝をお祈りしております。
必ずお元気でいて下さいますように。

一日も早く、文楽や浄瑠璃が楽しめる
いつもどおりの毎日が戻って来ますように。




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