11月16日は文楽劇場へ
綿秋文楽公演第二部 新版歌祭文 野崎村 / 釣女へ伺いました。

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新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)は、
丁稚と主家のおひいさんの「禁断の恋の物語」なのですが、
全体像は、それだけにあらず。
久松が、もともとは武士の子であったことから
お家復興などの要素も絡まり、物事がややこしく展開した後で
結局最後は2人とも命を絶ってしまうという
とても悲しい、やるせないお話です。

全体のあらすじや相関図、作品の成立等に関しては、
文化デジタルライブラリーに詳しく掲載されているので
ぜひご覧下さいませ。

文化デジタルライブラリー 新版歌祭文 
※flash コンテンツです。
 2020年11月20日現在はブラウザの個別設定で閲覧できますが 
 2020年末のadobeによるflashサポート打ち切りにより、
 各ブラウザもサポートを終了しますので、じきに見られなくなります。
 ご興味のある方は今のうちに情報をご確認下さいませ。


全段の詞章(床本)はPDFでご覧いただけます。

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画像 文化デジタルライブラリー

令和2年の綿秋文楽公演は見取で「野崎村」が上演されました。

今回は平成21年以来、久々におみつの母親も登場。
わたくしはライブでおっかさん初観でしたが、
この老母の存在は大きい、この物語には必要不可欠であると
しみじみ思わされたことでした。

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画像 文化デジタルライブラリー

お席2列16番にて

◆野崎村

【床】

咲様、燕三さん、よろしゅうございました。
この名作の切場を、お二人の浄瑠璃で堪能させていただきました。
しみじみ じんわり じゅわ~~~~っという感じで
胸に熱いもんが込み上げたことでした。
ツレ弾きの燕二郎君もよかったです。
野崎、美しかった。


【手摺】

皆さん素敵でした。
和生さん、勘壽さんは勿論ですが
2人の同世代の娘、清十郎おみつ、一輔お染が、
とても良かった。

おみつは在所の娘らしい、しっかり者で、
ちょっとバンカラで、おっちょこちょい。
そんな娘が尼になり、言葉遣いまで改まる
この落差の、なんと哀れなこと。

お染は大店のおひいさんらしく、品があって、可憐で。
あまりのかいらしさに、見てるこっちまで
その恋に肩入れしたくなったことでした。

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Picture / Columbia University Libraries

簑助さん、休演からのご回復、安心しました。
お勝はキリッとしてカッコよかったです。

簑紫郎君、ア痛し小助、楽しそうに遣われていた。
人形が随分大きく見えました。
憎たらしくて、ちょっと滑稽で、とてもよかったです。

船頭の玉翔君や、駕籠屋の勘介君、玉路君もしっかり遣うてはった。
勘介君は、籠を出す前に、人形が「おい行くぞ」みたいに
相方に言うてるような仕草まで丁寧にしてはりました。

エンディングの野崎、よろしゅうございましたね。

この場面の賑やかさ楽しさが、2人のために、そして
年老いた両親に悲しい思いをさせんがために身を引いた
おみつの悲しみを浮かび上がらせます。

そして物語は悲劇的な結末へと。
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画像 文化デジタルライブラリー

◆釣女

野崎村でじんわりした後は、釣女です。

床も手摺も、皆さん、とてもよろしゅうございました。
籐さん、玉佳さん、太郎冠者絶好調(^o^)

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国立国会図書館デジタルコレクション
書籍ID:000000491680


【床】

籐さんはお声が太くて、こちらのお腹にどすんと響いてくる。
もっと聴きたい。一段まるっと聴きたいです。

芳穂さん大名イケメンでした。
三輪さん、やっぱり美しい。

希さん、少し高音が難しかったでしょうか。
ご精進下さいますように。

お三味線はチーム團七、安定の音色。

清馗さん、少しお痩せになられたような。
ご健康でいて下さいますように。

【手摺】

玉佳さんの太郎冠者、滑稽でとてもよかった。
よう笑わせていただきました。

玉勢大名はしゅっとして
紋臣美女は気品があり

醜女ちゃんは、可愛いくて、おもしろい。
怖い言葉も口走りますが
勘彌さんの遣いに品があって
とてもよろしゅうございました。

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綿秋文楽公演も、いよいよ千穐楽まであと少しとなりました。

どうか何事もなく、無事に千穐楽を迎えられますように。
そして、12月の東京公演、1月の初春公演と
ずっとずっと、いつもどおりに、文楽が上演される
そんな毎日でありますように。

技芸員の皆様、関係者の皆様、そして観客の皆様が
必ずお元気でいて下さいますように。