11月11日は文楽劇場へ
綿秋文楽公演第三部 本朝廿四孝に伺いました。
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本朝廿四孝はとても複雑で難解な作品です。

物語の全体像は
「謀反人をあぶり出し成敗するために
信玄・謙信が仕組んだ壮大なプロレス」
だと、素人のわたくしは読んでいるのですが
見取では、答え合わせは叶いません。

ただ、素人解釈でも、全体の筋を予習しておくことで
自分なりに、文楽をより深く楽しむことはできます。

今回は、手元に三段目と十種香、奥庭狐火の床本しか無かったので
まずはそれと当時のプログラムを読み、
それ以外に、ウェブで全体のあらすじを予習してから行きました。

参考サイト
本朝廿四孝床本

本朝廿四孝あらすじ


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お席4列22番にて

【床】

◆道行似合の女夫丸

清友さんのリードで、若手の太夫、お三味線の皆さん、
よいお浄瑠璃をなさっていました。

陸さん、少し高音が難しゅうございましょうか。
そこだけが気になりました。

◆景勝上使の段

希さん、清丈さん、GJ。

希さん、お声が太くなられた。
謙信、景勝、関兵衛、簑作と、
個性あふれるキャラも語り分けられていました。

◆鉄砲渡しの段

若手素浄瑠璃の会に続いて、
芳穂さん、清志郎さんの浄瑠璃です。
(若手会ではそれぞれ別ペアでした)

粗筋予習で、とても楽しみにしていた段です。
どんなふうになさるんかと、興味津々やったんですが
謙信と関兵衛の、腹の探り合いがとてもよろしく
じわじわと、感じ入っておりました。

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国立国会図書館デジタルコレクション 書籍ID:023817899

◆十種香の段

千歳さん、富助さん なんて素晴らしい。

千歳さんの語りは、太夫ではなく、
舞台の人形が喋っていると思えるほど自然で

富助さんのお三味線の音色は、幅が広く、
小さな音まで、すっと耳に入ってきて、
そのすべてが、とても美しく感じられました。

お二人の素敵な浄瑠璃を聞きながら
十種香って、なんて面白いんやろうと
改めて思わされたことでした。

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◆奥庭狐火の段

藤蔵さん、すごかった。
寛太朗君、清公さんを率いてのチーム藤蔵ロック炸裂。
お三味線の、撥を弾かずしゅううううっと弾くやつ。
あれは何というのでしょうか。カッコよかったです。
痺れました。

このお三味線&琴と戦う織さん、大変やったと思います。
ですが、よろしゅうございましたね。
「日本語であそぼ」で聞いているあのシーンは
八重垣姫のそれでありました。

お浄瑠璃は良かったのですが、少し、声量が気になりました。
先日のグレイト文楽もそうでしたが、
織さん、ボリュームが下がっているように感じます。

もったいないことです。
また以前のように、大音量で聴かせて下さいますように。

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国立国会図書館デジタルコレクション 書籍ID:023817899

【手摺】

玉志さん謙信、玉輝さん関兵衛、
老将2人の腹芸、どきどきしながら見ておりました。

この物語の背骨ともいえる信玄&謙信VS道三の対峙
景勝上使から鉄砲渡しで、そこが垣間見えた。

玉志謙信、時折動く眉と、あの何ともいえん表情
流石でございました。

簑二郎さん濡衣、しっとり、どことなく影もあって素敵でした。
道行きも美しかった。
十種香で上手に来た時の表情に、うっとり見惚れておりました。

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勘十郎さん、八重垣姫、素晴らしかったです。
十種香の背中から奥庭狐火のエンディングまで
堪能させていただきました。
左も足も、若手お狐カルテットも、
皆さん綺麗に動いていはりました。

勘市さん、簑太郎さん、人形が大きく遣えていた。
玉誉さん、あと少し、ご精進下さいますように。

玉助さん、何かございましたか。
襲名披露の勘助は人形が大きくとても素晴らしかった。
あの遣いを、どうか早く取り戻されますように。

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国立国会図書館デジタルコレクション 書籍ID:023817899

本拠地での文楽公演再開まで、長い時間がございましたが
技芸員の皆さん、とにかくお元気そうでよかったです。

綿秋文楽公演は、いよいよ後半に入りました。

どうか何事もなく、無事に千穐楽を迎えられますように。
そして、12月の東京公演、1月の初春公演と
ずっとずっと、いつもどおりに、文楽が上演される
そんな毎日でありますように。

技芸員の皆様、関係者の皆様、そして観客の皆様が
必ずお元気でいて下さいますように。