8月17日は国立文楽劇場へ
文楽素浄瑠璃の会に伺いました。

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平家物語、源平の戦いを舞台にした異なる浄瑠璃3作から
それぞれ1段、都合3段を見取りでライナップ
なのにどこか全体が繋がっている、関係している、
オムニバス的に楽しめる絶妙のプログラム。
おまけに大好きな神埼揚屋の段も聴けるとあって
ウキウキと寄せていただきました(*゚∀゚)=3

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お席10列13番にて。

熊谷陣屋の段

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呂さん少しスタートまでに少し時間がかかりましたでしょうか。
弥陀六のあたりからは勢いも声も出て、よろしかったです。
清介さんのお三味線は最初から最後まで、それはそれは美しく、
うっとりと楽しませていただきました。


河連法眼館の段


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咲様、燕三さん安定の美しさ。
狐の世界で、親に孝行もせぬ奴と、400年間馬鹿にされ、
出世も出来ずにいた狐忠信が、
縁あって結ばれた妻そして子と離れてまで
孝行がしたいと語る姿のいじましさ。
浄瑠璃ならではのファンタジー。
咲様のお声が広い劇場にすうっっっと響いて、
そこに燕三さんのお三味線が重なり、
聴くものの心を不思議の世界にいざなう。
素敵でした。燕二郎君もよかったです。


神埼揚屋の段

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今回の演目の中で一番大好きな浄瑠璃です。
このプログラムの中では唯一、一段通して女の心を謳い上げている。
2年前にリーガで駒之助師匠を聞いて以来
この段を男の方が謳い上げるのは難しいやろなあと
こっそり思うてもおりました。

それを千歳さんが語るということで、
正直、少し意外ではありました。
ですが、ヨカッタです。

梅が枝が首を替え、髪を振り乱し
惚れた男のためならば、例え無限の餓鬼道に落ちようと、
何としても金が欲しい。その一念、降る小判、
拾い集め小袖に包んで駆け出す姿。
スピード感溢れる段切は思わず身を乗り出しておりました。

富助さん、勝平さんもよかったです。
このお二人相手に戦うわけで
千歳さん大変やったと思いますが
それが段切の迫力に繋がった。

  これは夢か現かや。どなたか知らぬがこの御恩。
  死んでも忘れぬ。/\

  と嬉しいやらこわいやら、拾ひ集むる心もそゞろ。
  袖引きちざり三百両。包むに余る悦び涙。
  鎧がはりのこの金と、おし戴き/\、勇みいさんで

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午後1時から休憩を挟みながらの4時間。
どっぷりと浄瑠璃の世界を堪能させていただきました。
太夫、お三味線の皆さん、解説の久堀先生、
お疲れ様でした。有難うございました。