文楽とか浄瑠璃とか

文楽のことなど徒然に

カテゴリ: 人形浄瑠璃

2月22日は淡路人形座へ
淡路人形綸旨宣下450年記念公演に伺いました。

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第二部は「播州皿屋敷」の解説そして上演です。

まず最初に、理事長からご挨拶代わりに
子供の頃の肝試しのお話がありました。
それが落語のようにおかしくて、よう笑わせて頂きました。

その後は久堀先生から演目の解説。
この人形浄瑠璃は昭和十年以来上演が途絶えていましたが
「青山館」を平成28年に淡路人形座が復活上演、
そして「忠太物狂い」を今回新たに復曲、上演とのことでした。

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青山館

床は昨年夏の道春館に引き続き友庄さんVS友勇さんの鉄板ペア。
このお二人の浄瑠璃は安心して聴けます。
とても良かったです。

手摺も皆さん良かったのですが
特に史興さんの鉄山は迫力がありました。

井戸に浮かぶ人魂

怨霊となったお菊に遠隔で首根っこを掴まれ
前にバックする鉄山のムーンウォーク

屋敷が唸るポルターガイスト

怪談エンタテイメントの王道を
満喫しながら舞台は忠太物狂いへと。

忠太物狂い

友吉さん率いる浄瑠璃の音曲に合わせて
繰り広げられる新九郎さんオンステージ。

お菊の怪しい姿と
エンドレス・イリュージョンで同じ場所を逃げ回る
忠太の滑稽な姿が、ふわっと怖く、面白い。

そして期待を裏切らない
エンディングのお菊ラスボス怨霊化。

淡路のケレンを存分に楽しませて頂きました。

有難うございました(*´ω`*)





2月22日は淡路人形座へ
淡路人形綸旨宣下450年記念公演に伺いました。

公演は2部構成、内容は下記です。
1部:市民講座、並びに、式三番叟の上演
2部:「播州皿屋敷」の解説、上演

まずは第一部のことを、自分の備忘録&メモ的に
このエントリーに書きたいと思います。

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淡路人形の起源と「綸旨」

淡路の人形浄瑠璃の歴史は、淡路人形座のウェブサイトに
詳しく紹介されているので、ぜひこちらをご一読下さいませ。

淡路人形浄瑠璃の歴史(淡路人形座ウェブサイト)

今回のレクチャーは主に「綸旨」について、
久堀先生からお話いただきました。

この綸旨がどういうもので、どういう役割を果たしたかは
こちらのニュースで分かりやすく解説されています。

「綸旨」授かり450年 淡路人形浄瑠璃資料館で展示(神戸新聞NEXT)

下記は自宅に戻ってから探した淡路の人形浄瑠璃に関する資料です。
備忘録としてここに記録しておきます。

淡路古今紀聞(国立国会図書館デジタルコレクション)

淡路人形芝居・兵庫県教育委員会(マンガで解説されていてわかりやすい)

能勢の人形浄瑠璃における創造性2 : 文楽、淡路・阿波の人形浄瑠璃との比較を中心に
松浦伸吾/大阪音楽大学(国立国会図書館デジタルコレクション)


式三番叟

レクチャーの次は式三番叟の上演。
能の演目として有名な式三番(翁)は、能のみならず、
日本全国に伝わる郷土芸能、神事、そして舞踊等に受け継がれています。
翁が舞い天下泰平を、三番叟が舞い五穀豊穣を祈るのです。



式三番は不思議な演目です。
その起こりに関しては、「風姿花伝 第四 神儀云」に記述されていますが、
この詞章とうとうたらりたらりら~」の意味は、世阿弥の時代ですら、
よくわかっていなかったようです。
※申楽談儀(未読)に「ようわからん」と、書いてあるらしい。

各地に伝わる詞章(全文)に多少の違いはありますが、

 とうとうたらりたらりら。たらりあがりららりとう。
 ちりやたらりたらりら。たらりあがりららりとう。

この不思議なフレーズは共通で(たぶん)
何百年という時を超えて、日本中で謳われ続けているのですね。

私はこの詞章の響きが好きです。
とても心地よく感じる。

「よくわからない」けれど「語り継がれている」フレーズが
重要な意味を持つ、ある日、世界を変えるような作用を起こす
というのは、幻想的な創作物によくある仕掛けですが

淡路の式三番叟を聞き、その舞を見ながら
案外、これはリアルでそういうものなんかもしれん、
古から日本全国に伝わるこの不思議な詞章、そして舞が、
この国を護ってるんかもしれんなあ、
そんな事を、ぼんやり思うておりました。

資料:大蔵虎明筆『式三番』高桑いづみ著 東京文化財研究所
(国立国会図書館デジタルコレクション)


福良八幡様へお参りに

講座の前には、福良八幡様へ参らせていただきました。

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雨上がりで、所々水たまりの出来たこの石段、
どうやって上り下りしたもんか、悩んだんですが
人がおらんのをエエことに、着物の裾を膝までめくりあげて
ソロリソロリと(〃∇〃)。

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3度目の福良訪問で、やっとご縁が頂けて嬉しい限りです。
そのお礼と、ご挨拶をさせていただきました。

御神籤は末吉
これは持ち帰り、今も時々、読み返しています。

良いお参りをさせていただきました。
有難うございました。


12月22日は南あわじ市にある淡路人形座へ。
第1回 豊澤町太郎師(とよさわまちたろう し)の浄瑠璃録音を聴く会
「奥州秀衡有鬠壻(おうしゅうひでひらうはつのはなむこ)
鞍馬山の段(くらまやま の だん)」を、聴きに伺いました。

これは令和元年文化庁「地域文化財総合活用推進事業」の
市民講座やそうですが、こういう企画が成立するのは、
地域の底力というか、蓄積されたコンテンツ力があるからに他ならず
何ともすごいことやなと、思わされたことでした。


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町太郎師による録音の経緯

1970年、国立劇場民俗芸能公演「淡路人形芝居」をきっかけに、
翌1971年、早稲田大学演劇博物館が「文楽には無いもの
(残っていないもの)の録音を町太郎師に依頼します。
その後1971年から数年をかけて多くの演目が録音されました。

今回はその中からこの段の口をピックアップして解説、
録音を鑑賞しましょうという講座(会)でした

講座の内容

講座では、久堀先生が床本全文に注釈を併記したレジュメを
解説しながら、まさかの全文講読。

今回は先生が床本を読み、注釈をつけて行く中で、
ご自身も勘違いをしていた部分があったということで、
そのへんも含めた、かなり丁寧な解説をお伺いし、
その後に、町太郎師による弾き語りの録音を拝聴するという、
随分と贅沢な内容でした。

淡路人形座 演目あらすじ:奥州秀衡有鬠壻 鞍馬山の段へリンク

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写真:淡路人形座


物語の筋はシンプルでわかりやすいものです。
ただ、浄瑠璃の中に、古典からの引用やパロディ、
言葉遊びなどがあって、それらを知れば知るほど味わい深く、
ところどころで「うふふ」と笑えて面白い。

お三味線の師匠による義太夫弾き語りを聴いたのは初めてでしたが
古い録音にも関わらず、滑舌がよいせいか、言葉がとてもわかり易く、
また、人物も語り分けられていて、どっぷりと、その世界に
はまり込ませて頂くことが出来ました。

次回はぜひ、人形芝居で聴いて見てみたいです。
淡路人形座で上演されるのを楽しみにしています。

*****

講座のことは、人形遣いさんのツイッターで知ったんですが
当初すでに別の予定があり、諦めておりました。
ですが急遽、日程変更となり、これなら行ける!と
参じた次第です。

行きのバスでは仕事の段取りばかり考えていましたが
帰りのバスでは、頭の中で、クリスマスソングを
メドレーで鳴らしておりました。
(なんで浄瑠璃ちゃうねんというツッコミはナシで(〃∇〃))

講座を聴いて、頭から仕事を離したおかげで、
随分リラックスできたんやと思います。
おかげで、一足お先の、良いクリスマスになりました。

淡路人形座の皆様、久堀先生
この度はお世話になりました。

有難うございました。

*****

【お礼】
人形座から出た後、エレベータでご一緒した年配の紳士に
高速バスの乗り場をご案内頂きました。
人形座とバスの乗り場は向かい合わせの位置にあるんですが
辺りが暗くて、よく見えず、お尋ねした次第です。
雨の中、ご親切に、有難うございました。

【お土産】

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お土産は淡路人形せんべいです。
他人のような気がせず思わず買うてしまいましたとさ(〃∇〃)



8月27日は文楽劇場小劇場へ
第8回民俗芸能公演プレ講座「淡路人形芝居の世界」に
伺いました。

支配人坂東さんのお話、古い淡路人形芝居の記録フィルム、
新九郎さん自ら遣&解説下さった文楽人形と淡路の人形との違いなど、
とても興味深い講座で、すっかり楽しませていただきました。

道春館が淡路の人形芝居、淡路の人たちにとって、
どれほど人気がある演目か、

また、ふとん太鼓(ふとんだんじり)の時に歌われる
浄瑠璃のエッセンスを凝縮した「だんじり唄」のお話など、
もっと詳しく聴きたかったです。

なおこの時の講座と、ほぼ同じ内容のインタビュー記事が
文楽劇場のウェブサイトにアップされていますので
ご興味のある方はぜひぜひご一読下さいませ。

『「ふるさとの人形芝居」9月8日に単独でご出演の
淡路人形座支配人の坂東千秋さんに、上演する『玉藻前曦袂』の
魅力などを伺いました。』

9月7日、8日の公演は
「衣裳山」「玉藻前曦袂(道春館の段/神泉苑の段/狐七化けの段)」。
衣装山は2月に淡路で見せていただいたものより、
もう少し枚数が増えるとのこと。
狐七化けの段は7つの早変わりは今から楽しみです。

なお、玉藻前曦袂に関しては淡路人形座さんのウェブサイトで
あらすじや見どころなどが解説されています。

玉藻前曦袂 道春館の段
玉藻前曦袂 神泉苑の段
玉藻前曦袂 狐七化けの段

ウチも事前にちゃんと読んで勉強して行こうと思います(*´ω`*)

淡路だんじり唄

今回の講座でウチ的に一番興味深く感じられたのが
浄瑠璃のエッセンスを凝縮しただんじり唄のお話です。
家に戻って調べたところ、Ytubeに大人から子どもまで
いろんな世代の方たちの歌う動画が上がっていたので
聴かせていただきました。

9月に道春館をやっていただけるので
特に「玉三(玉藻前曦袂三段目=道春館)」を
じっくり聴かせて頂いたのですが

泣いた(´;ω;`)ウッ…

 コリャ娘 コリャ 父じゃわやい
 なぜ なぜもの云うては くれぬぞ

まさかだんじり唄で泣かされるとは思いませんでした。
あまりにも素晴らしかったので
動画と歌詞を下記に紹介させて頂きます。

歌詞は「よっし~の畑」様に掲載されていた歌詞を基本に
動画を聴きながら、本動画で歌われている歌詞に合わせて
書き出させて頂きました。



淡路だんじり歌「玉三(道春館)」

ヤー しずめましょ

サア ヨイ

咲いた 
桜の枝折る風は
情け知らずの山おろし
泣く目を払い萩の方

上使のそばに詰め寄って

ヤァうろたえたか金藤次
勝負に勝った姉娘
なぜ切った サなぜ殺した

それと悟って身代わりと
初花が心ざし
水の泡となったのも
皆その方が無得心
たばかられたかチェッ口惜しい

身を震わして腹立ち涙

ワッハハハハハ  
しゃらくさい とがめ立て
勝負に勝とうが勝つまいが
仰せを受けた桂姫
首打ったが何誤り
皇子の御心背く方々
悪く身動き召さるると 
どいつ こいつの用捨は致さぬ
すっこんでおいやれ

権威を甲に傍若無人
振り袖引き裂き首押しつつみ
御台は かっとせき上げ せき上げ

過言なり金藤治

ヤア皇子にへつらい悪事をすゝめ
人を損ふ獄卒め 思い知れヤア

ヤレ待て采女早まるな言ひ残す仔細あり
まづ まづ まづ暫く

苦しき息をほっとつき

獅子王の剣 内侍所もろともに
皇子の館に隠しあれば 
てだてをもって取り返されよ
サアかく物語れば剣の盗賊 
いづれも立寄って御成敗なされよ

よろぼひ よろぼひ 首取り上げ

コリャ娘 コリャ 父じゃわやい
父じゃ 父じゃ 父じゃ 父じゃ 父じゃ
父じゃ 父じゃわやい
なぜ なぜもの云うては くれぬぞ

眠れる如き死顔を打ち

守り打ち守り

いまわになって二親を こがれ慕うた心根が
いじらしいやら ふびんなやら

その時 名のるは易けれども 
恩義の二字にからまれて
じっとこたゆる辛抱は
熱鉄を呑む心地ぞや

焼野のきぎす夜の鶴

子を哀れまぬは無きと聞く
心を察し萩の方 綾も涙に

正体なく

一樹の陰の雨宿り
一河の流れを汲む人も
深い縁と聞くものを
藁の上から育て上げ

さあ さかえましょ 






 

2月17日は生まれて初めて淡路島へ、これまた人生初見となる
淡路の人形浄瑠璃『淡路の演目・演出披露公演「妹背山女庭訓」』を
観に行って来ました。

門戸厄神さんで「えびすかき」を観て以来、
いっぺん淡路の「戎舞」を観たいと思うていたんですが、
年明けの西宮公演はチケットが取れず、
ご縁が頂戴できひんのかなとしょんぼりしていたところへ、
本公演の案内を頂き、これは行くしかないやろ!と、伺った次第です。

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淡路の人形浄瑠璃と大阪の人形浄瑠璃・文楽はどう違うのかと、
以前は考えたこともありましたが
最近は、同じ種「傀儡子」から誕生し、
それぞれ異なる進化を遂げるとともにに、
互いに影響しあって今に至る「似て異なる芸能」と
自分の中で(思い込みですが)答えが出ているので、
今回は余計な事も考えず、人形浄瑠璃を楽しませて頂きました。

衣装山
新聞記事:衣裳山よみがえる 淡路人形座 : 地域 ( 読売新聞オンライン)

黒は黒、赤は赤と衣装の色味を揃え、竿に通し
その竿を変わりベッタンで上下させる「衣装山」。
見応えがありました。あの衣装は刺繍でしょうか。
龍を背負った赤い緞子はいっぺん着てみたい(*´ω`*)


昔むかし、淡路の人形芝居が全国を巡業していた頃
庶民の身につけるものは地味なモンやったと思います。
村や町にも、さほど彩りはなかったでしょう。

地味な村の中に立つ、地味な色(観客)で埋め尽くされた芝居小屋に
綺羅びやかな衣装の山がかかる。
その華やかさに、どれほど人々は見惚れ、彩りを楽しんだことか。

淡路の衣装が豪華であり続けた、られた理由には色々ありましょうが
何よりもまず、行く先々で人々に喜んでもらうためやったんやろなと
思わされたことでした。

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新聞記事:衣裳山よみがえる 淡路人形座 : 地域 ( 読売新聞オンライン)

妹背山女庭訓四段目

道行恋苧環

友里希さん、とても良かったです。
掛け合いを離れて彼女の声が通った瞬間「おお!」と思いました。
お若い方ですが、なんというか、聞きたくなる発声をしていはる。

晩年の鶴澤友路師匠にもお稽古してもろてはったようで
それが彼女を支える骨となり、人生で経験する様々が
筋肉となって骨に付き、丈夫な体躯となりましょう。

これからも益々ご精進あそばして、
ぜひ良い太夫さんになって下さいね(*´ω`*)



入鹿御殿の段

友庄さん、ヨカッタです。

豆腐の御用は可愛く
女官はイケズで
鱶七は雄々しく激しく
そして、難しいお三輪の心の変化まで
お見事でございました。

新九郎さんの早変わり、凄かったです(@@)

淡路独自の演出やと、事前情報があったにも関わらず
実際に目の当たりにしたその芸は、想像以上にダイナミックで
女形から立役という变化もこれまた見事で、
すっかり驚かされてしまいました。

淡路の人形はかしらが大きく
鱶七など「どっしーん!」とした迫力があるのですが
お三輪から早変わりすることで、よりいっそう大きく見える。
花四天との殺陣も豪快で。
ゴージャスな良い人形浄瑠璃にございました。

淡路人形協会 上居副理事長のご挨拶と久堀先生の解説を伺って

江戸期、淡路では、島内のごく狭い特定集落に
人形芝居を生業とする人々が暮らしており、
全国を巡業をしながら芸を発展させてきたとか。

藩の庇護もあり、最盛期には40もの座数があったらしく、
島の一大産業やったと思います。

残念ながら、明治以降は衰退し、
現存するのは淡路人形座のみとなっていますが、
今では島を上げて保存・発展に取り組んでいるご様子でした。

今回の演目「妹背山女庭訓/道行恋苧環・入鹿御殿の段」は

イケメン侍が自分の目的のために村娘とエエ氏の姫を手玉に取る
村娘と姫がイケメンを取り合いキャットファイト
イケメンは自分の目的達成のため条件付きで姫と祝言
騙された村娘は姫の御殿で女官にいじめ抜かれ
鬼の形相になったところで「その顔の血が必要」と
別の大侍に刺し殺され血を抜かれる

という、浄瑠璃にはよくあるパターンの、
三角関係の縺れからライトなエロトークを挟み
イジメて恨んで血飛沫ブシャーな時代物の悲劇でしたが、
小学校低学年くらいの子供たちも来ていて、
さすが淡路!と、その地元力に驚かされました。

来年度からは小学1年生から中学3年生まで、
人形浄瑠璃を通じての、コミュニケーション能力を高める
取り組みが始まるということで、
淡路のDNAが、時間の経過とともに、どう蘇るのか
楽しみでなりません。

橋と高速道路のおかげで、淡路の南端、人形座の拠点・福良も、
三宮からバスでわずか1時間半の距離となりました。
思っていたよりも近かったので、また機会があれば、
日帰り旅行がてら楽しみに行きたいと思います。

この度のご縁に感謝して、
引き続き、ご縁を頂戴できますように(^人^)

ありがとうございました












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