文楽とか浄瑠璃とか

文楽のことなど徒然に

カテゴリ: 資料的なもの

国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている
奥奉公出世雙六です。
とても楽しい双六なので、これを1つずつ分解してみたいと思います。
双六に書かれている台詞は双葉社様の翻刻を使わせて頂きました。
意訳は私がしているので、おかしな箇所も多いかと思いますが何卒ご容赦を。

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奥奉公出世双六
著者:国貞改二代豊国 出版者:上州屋重蔵 
国立国会図書館デジタルコレクション

御部屋様 ーおへやさまー
将軍の側室。男子を出産することで御部屋様となる。
danshiti_jima賽の目
三:御小姓
六:上り

われわれなぞの
いやしき身が
このやうに
出世するのも
みな天とうの
おめぐみこれにつけても
おくさまハたいせつに
おもハねバならぬぞかし

【意訳】
私たちのような、
いやしい身分の者が、
(将軍家や公家などの
血筋ではないということ)
この様に出世するのも
全てはお天道様(神様)の
お恵み(思し召し)です。
これにつけても
奥方様(御台所)は
大切にしなければなりませんよ。



中老 ーちゅうろうー
将軍や御台所の身の回りのお世話をする。将軍のお手つきは側室に。
churo

賽の目
一:老女
四:上り
六:おへやさま

人のおちどをいふハ
やすけれど奉公する
身ハあひたがいどうがな
しておいとまに ならぬ
やうに
とり
なし
やうが
あり
さうな
もん
だぞ

【意訳】
人の落ち度を言うのは
容易いけれど
奉公するもの同士
お互いに、どうにかして
お暇にならないよう
取りなしようが
ありそうなものですけれどねえ。

老女 ーらうじょ(ろうじょ)ー
大奥の総監督。
roujyo

賽の目
一:上り
三:御次

ついにない
このはるハ
おひめさまか
みな/\よく
つとめたに
よつて
御やく
がへの上
御ほうびを
くだされ
ますゆへ
ありがたく
御いただきなされませ

【意訳】
滅多にないことです。
この春はお姫様から、
皆が良く勤めたからと
お役替え(出世)の上
ご褒美を下さいますから
有り難く 頂きなさいませ。

御側 
ーおそばー
将軍や御台所のお世話をする上級の奥女中
osoba

賽の目
一:中老
六:部や屋

ヘイおひめさまハお手ならひを
あそばせそのやうにおあそびに
お身がいつてハなりません
これハしたりまた
そのやうな
きたない
おかほを
あそばして
おむずがりますな

【意訳】
さあ、お姫様はお手習いを
なさって下さい。
そんなふうに、
お遊びになってばかりでは
いけません。
まあ、なんてことを。
そのような悪いお顔をして、
ご機嫌を悪くなさらないで
下さいな。





傾城反魂香(けいせいはんごんこう) 土佐将監閑居の段 
登場人物相関図を描きました。
※写真が入ってるのが、この段の登場人物です。
PDFはこちらからご覧いただけます。
keiseihangonkou

作品概要
原作:けいせい反魂香
作者:近松門左衛門
初演:宝永5年(1708年)大坂竹本座
改作:名筆傾城鑑
   吃の段=土佐将監閑居の段
作者:吉田冠子、中邑閏助(中邑阿契) 三好松洛
初演:宝暦2年(1758年)大坂竹本座
分類:時代物 
構成:三巻

あらすじ解説
み熊野ネット 浄瑠璃「傾城反魂香」

床本集
傾城反魂香 「土佐将監閑居の段」

※出典:ようこそ文楽へ-鶴澤八介メモリアル 「文楽」ホームページ

図書館デジタルアーカイブ検索結果
国立国会図書館デジタルコレクション「傾城反魂香」検索結果
大阪市立中央図書館デジタルアーカイブ「傾城反魂香」検索結果

主な登場人物とかしら名(※1)

土佐将監     鬼一(きいち)
浮世又平     又平(またへい)
女房おとく    老女形(ふけおやま)
狩野雅楽之介   源太(げんだ) 
将監女房     婆(ばば)
修理之介     若男(わかおとこ)

※令和2年初春公演パンフレットより

けいせい反魂香VS名筆傾城鑑の主な相違点
(参考文献1より)

1)女房の名 けいせい反魂香:なし/名筆傾城鑑:おとく
2)雅楽之介の注進内容
3)エンディング吃りが治る部分の増補
  (床本 将監声かけ、待て/\両人以下段切まで)

み熊野かげろふ姿 冒頭

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【意訳】
惜しくてたまらない。夜が明けてしまうのが。
今こうして私たち夫婦の間に咲いている花ですら
ただ一夜の夢の景色でしかないというのに
何も知らない夫が哀れで悲しく
私には泣くことしかできない。
昔は朝の身支度に、髪や裾に留めては
そよ吹く風に香りを漂わせ色めかせた香も
今は線香として香炉に立ち
反魂香として、くゆっているなんて。

参考文献・講座・ウェブサイト

1) コテンゴテン作品解説講座@鬼鳥庵(2020年1月12日)
   「祝襲名!傾城反魂香」聴きどころ見どころ
    講師:大阪市大 久堀裕郎教授 
2) 第157回文楽公演 令和2年1月プログラム・床本
3)鑑賞日本古典文学〈第29巻〉近松:大久保忠国編(昭和50年/角川書店)
4)み熊野ネット 浄瑠璃「傾城反魂香」


心中天網島 登場人物相関図 描きました。
PDFファイルはこちらからご覧いただけます。

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作品概要
題 名:心中天網島
作 者:近松門左衛門
初 演:亨保5年(1720年)12月6日 
初演座:大坂竹本座
分 類:世話物
構 成:三巻

あらすじ解説
文化デジタルライブラリー 近松門左衛門 心中天網島
文楽ポータルサイト 楽文楽 らくぶんらく 心中天網島

床本集
北新地河庄の段
天満紙屋内の段
大和屋の段
道行名残の橋づくし

※出典:ようこそ文楽へ-鶴澤八介メモリアル 「文楽」ホームページ

図書館デジタルアーカイブ検索結果
国立国会図書館デジタルコレクション「心中天網島」検索結果
大阪市立中央図書館デジタルアーカイブ「心中天網島」検索結果
レファレンス協同データベース/レファレンス事例詳細/「心中天網島」について知りたい。

主な登場人物とかしら名(※1)

紙屋治兵衛    源太(げんだ) 
紀の国屋小春   娘(むすめ)
女房おさん    老女形(ふけおやま)
粉屋孫右衛門   孔明(こうめい)
江戸屋太兵衛   陀羅助(だらすけ)
五貫屋善六    手代(てだい)
倅勘太郎     男子役(おとここやく)
娘お末      女子役(おんなこやく)
おさんの母    婆(ばば)
舅五左衛門    舅(しゅうと)
丁稚三五郎    丁稚(でっち)
下女お玉     お福(おふく)

※令和元年11月公演パンフレットかより

舞台となった場所
※現在も訪れる事が出来る場所

心中天網島「地図で見る道行き名残の橋づくし」
※文化デジタルライブラリー 近松門左衛門 

外題(タイトル)について(※1)

外題に関して、「心中天網島」の「天の網」は
「天網恢恢疎にして漏らさず」から来ているという解説を
よく見かけますが、それだけでは少し言葉足らずではないかと
感じます。
下記に鑑賞日本古典文学〈第29巻〉近松から、
大久保忠国先生の解説をご紹介します。
近松は決して心中を冷たい目で見てはいないということが
よく分かるかと。ぜひご一読下さいませ。

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出典:鑑賞日本古典文学〈第29巻〉近松 P262-263
大久保忠国編(昭和50年/角川書店)

参考書籍(※1)

心中天の網島 廣末保著(S58/3 発行)
鑑賞日本古典文学〈第29巻〉近松 大久保忠国編(S50/角川書店)
新潮日本古典集成/近松門左衛門集 校注:信多純一(S61/10/10発行)
演劇界増刊 近松門左衛門の世界 (S61/7/15発行)

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凡例

無し:2019/11/13更新
※1:2019/11/27追記



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鑑賞日本古典文学〈第29巻〉近松 
大久保忠国編(昭和50年/角川書店)

近松門左衛門に関する本や雑誌の特集を読んでいると
「虚実皮膜論」の紹介や、そこからの引用が良く出てきます。

これは近松の演劇理論で、浄瑠璃の評釈書
「難波みやげ」の発端に載録されたものです。

引用される文章に興味深いものが多かったので
実際に読んでみたいと、紙ベースの、原文に近いものを
探していたんですが、なかなか見つからず。

それでも諦められずに、どっかにあるやろと、
色々ググってみたところ、とある論文の参考文献に、
この本の名前を見つけました。

幸いに、本そのものは多く出回っていて、
アマゾンや日本の古本屋さんあたりでも
数冊の取り扱いがあったので、速攻でゲットした次第です。

IMG_1474

目次はこんな感じです。

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「虚実皮膜論」以外にも、近松の作品はもとより
解説も多く掲載されていて、なんか凄いオトク感(*´ω`*)

IMG_1478

執筆者陣も超豪華です(*゚∀゚)=3

これから少しづつ、時間を見つけて読んで行こうと思います。



夏祭浪花鑑 登場人物相関図 描きました
PDFはこちらからご覧頂けます。
natsumatsuri
作品概要

題 名:夏祭浪花鑑
作 者:並木千柳・三好松洛・竹田小出雲
初 演:延享2年(1745年)7月 
初演座:大坂竹本座
分 類:世話物
構 成:全九段

あらすじ解説

文化デジタルライブラリー 夏祭浪花鑑

床本集

住吉鳥居前
内本町道具屋
釣船三婦内
長町裏

※出典:ようこそ文楽へ-鶴澤八介メモリアル 「文楽」ホームページ

図書館デジタルアーカイブ検索結果
大阪市立図書館デジタルアーカイブ「夏祭浪花鑑」検索結果
国立国会図書館デジタルコレクション「夏祭浪花鑑」検索結果
国文学研究資料館 近代書誌・近代画像データベース「夏祭浪花鑑」検索結果

主な登場人物とかしら名

釣船三婦     釣船(つりふね)
団七九郎兵衛   文七(ぶんひち)
一寸徳兵衛    検非違使(けびし)
玉島磯之丞    源太(げんだ) 
団七女房お梶   老女形(ふけおやま)
三婦女房おつぎ  老女形(ふけおやま)
徳兵衛女房お辰  老女形(ふけおやま)
傾城琴浦     娘(むすめ)
こっぱの権    端敵(はがたき)
なまの八     端役(はやく)
大島佐賀右衛門  端敵(はがたき)
倅市松      男子役(おとここやく) 
役人       検非違使(けびし)     
三河屋義兵次   虎王(とらおう)・舅のガブ(しゅうとのがぶ)

※平成27年7・8月公演パンフレットから 

舞台となった場所
※現在も訪れる事が出来る場所
高津神社:大阪市中央区高津1-1-29
住吉大社: 大阪市住吉区住吉2丁目 9-89

浴衣の縞柄

       団七縞
danshiti_jima
       徳兵衛縞
tokubei_jima




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