文楽とか浄瑠璃とか

文楽のことなど徒然に

カテゴリ: 文楽

1月24日は文楽劇場へ
初春文楽公演第1部に伺いました。
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演目は、
七福神宝の入舩(しちふくじんたからのいりふね)
傾城反魂香(けいせいはんごんこう)土佐将監閑居の段
曲輪ぶんしょう(くるわぶんしょう)吉田屋の段

お席1列17番にて

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七福神宝の入舩(しちふくじんたからのいりふね)

神様の新春かくし芸大会です。
幕の内側までずらっと並んだ太夫7人、お三味線7人
そして7人の神様(21人の人形遣い)と
総勢35人の技芸員の皆さんが七福神となり
観客に芸を披露、初笑いを贈ってくれました。

よう笑うたなあ(*´∀`*)

最後は錣太夫の襲名をお祝いして
やんややんやの拍手喝采。

初春らしい、明るく楽しい文楽にございました。
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竹本津駒太夫改め六代目竹本錣太夫襲名披露狂言
傾城反魂香(けいせいはんごんこう)土佐将監閑居の段

錣太夫、この度のご襲名、誠におめでとうございます。
吃又、とてもよろしゅう御座いました。

不自由な口で、土佐将監に訴える又平の姿は
胸に迫るものがあり、気がついたら泣いておりました。

この段、床も手摺も全てよかったです。
技芸員の皆さんが太夫の襲名を盛り上げた。
実直な錣さんのお人柄がよく分かる口上は
とても素敵でした。

言葉が出るようになった又平は、
まるで生まれ変わったような気持ちで
美しい言葉を話しながら
毎日を過ごして行くのでしょう。

錣太夫もまた、新たなる日々の始まりですね。
これから、どんな素晴らしい語りを聴かせていただけるのか
とても楽しみです。
益々のご活躍を祈念しております。

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曲輪ぶんしょう(くるわぶんしょう)吉田屋の段

昭和61年の初春公演で初めて見てから
随分長い時間を経ての2回目の鑑賞となります。

母に無理やり初日か4日かに連れて行かれた
あの時のことはほとんど覚えていませんが、
「お母ちゃん、またベンベン(※)かいな」と、呆れていた自分が、
当時の母の年令を超えた今になって
同じように劇場通いするようになるとは
思いもせんかったなあと、開演前に1人でクスクス笑うて、
ヘンなおばはんになっておりました。
(※実家の符牒。ベンベン=文楽・浄瑠璃)

前置きが長くなりましたが、簡単に感想を。


口、勝平さんのお三味線は、とても美しく感じました。

伊左衛門 咲様 VS 燕三さんお三味線のなんと美しい。
藤さん喜左衛門も、イケメンでした。
南都さん、咲寿君もよかった。
織さん、少しお疲れでございましたでしょうか。

手摺
まさか正月早々パワーアップしたコタツ男を楽しめるとは
思うておりませんでした(^o^)
優柔不断な若旦那イケメンモードも全開で
玉男さん、伊左衛門とてもよかったです。

和生さんの夕霧はとてもチャーミング。
花魁なのにどこか娘っぽくて、可愛くて、素敵でした。

勘壽さんの喜左衛門、カッコよかったです。

玉翔君、紋吉さん、大道芸、笑いました。

餅つきチームの皆さんも楽しかった。

簑助さん女房おさき、いつもどおりの異次元の遣い。
堪能させていただきました。

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今年の初春公演第一部は、文楽には珍しく
全てハッピーエンディングな浄瑠璃ばかりで、とても楽しかったです。
おかげで、良い気分で劇場を後に出来ました。
有難うございました。

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帰りしな、にっぽん文楽のチケットも買いました。
お天気になりますように。
4月はいよいよ義経千本桜の通しですね。
楽しみにしています(^^)

◆おまけ

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このビールを飲んだらエビでタイが釣れそうな気がして
ついつい買うてしまいましたとさ(*´ω`*)



1月8日は文楽劇場へ
初春文楽公演第2部、加賀見山旧錦絵に伺いました。

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加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)は
江戸中期、加賀前田藩で起きたお家騒動に取材した
女忠臣蔵とも呼ばれる仇討ち物語です。

原作は全十一段の大作ですが、
今回は六段目、七段目を中心とした
四つの段が上演されました。

お席1列17番にて

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まず全体の感想として、初春を飾るに相応しい
聴き応え見応えのある、素晴らしい文楽だったと思います。
床も手摺も、秋の山科閑居に続いて、最強の布陣で
凄い迫力でした。
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◆草履打の段

清治さんのお三味線のリードで
若手5人の太夫さんが、とてもしっかり語っていらして、
聴いていて嬉しかったです。

6月の若手会のあの感動が蘇るような、
そんな浄瑠璃でございました。

靖さん、代役お疲れ様でした。
呂勢さん、どうか1日も早くご回復なさって
語りを聴かせて下さいますように。

玉男さん岩藤、女形を遣われるのは初めて見ましたが
骨太の、品格あるイケズがたまりませんでした(*゚∀゚)=3

和生さんの尾上、堪えて堪えて堪えて涙(´;ω;`)

文哉さん、鷺の善六、良かったです。

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◆廊下の段

噂話に花を咲かせる腰元からラスボス岩藤、
お家乗っ取りを企む弾正、戸惑うお初まで

短い段の中に癖のある登場人物が複数現れ、
その場の雰囲気も都度変わる、難しい一段ですが
籐さんVS團七さん、その難しさを全く感じさせない
ステキな浄瑠璃で、すっとそこに入っていけました。

玉輝さん弾正、めっちゃ悪い奴っぽくて良かったです。
そして、勘十郎さんのお初はかいらしく
玉男さん岩藤はますますイケズがパワーアップ。
その恐ろしさたるや

やっぱり「奥」の話はこうでないと!

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◆長局の段

凄かった。

和生さんVS千歳さんVS富助さん
この3人の文楽は
客席にいるこちらまでキリキリさせられるような凄みがありました。

レースに例えるなら、いつクラッシュしてもおかしくない
ギリギリ限界一歩手前のところで、長局という段を3人が走り切る
その姿を、唸りを、ただ見守りながら脂汗を流す
そんな感じでしたでしょうか。

バトンを受け継いだ織さんVS藤蔵さん、そして勘十郎さんは、
そのギリギリ感から一気にエンジン爆発、ロックな文楽を
堪能させていただきました。

◆奥庭の段

錦糸さんのお三味線が素晴らしい(*´ω`*)
靖さんもヨカッタです。

勘十郎さんお初と玉男さん岩藤の戦い
どちらが勝ってもおかしくない、
一瞬、岩藤が勝つかと思わせて
お初の尾上を思う気持ちと若さがわずかにリード
無事仇討ちとなった時にはホッとしました。

そしてエンディングに登場した玉佳さん安田庄司が
イケメンすぎて。めちゃくちゃカッコよかったです。

忍び当馬を遣う玉彦さんのプレッシャーは
えげつなかったのではないかと思いますが
良く遣っていらっしゃいました。

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草履打・廊下・長局・奥庭の段まで
床も手摺も、見事な文楽で、存分に楽しませて頂きました。
おかげで、とても良い文楽始めとなりました。
有難うございました(*´ω`*)



11月24日は国立文楽劇場へ

仮名手本忠臣蔵の三分割通し公演の第三回目
千穐楽へ伺いました。

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八段目 道行旅路の嫁入
九段目 雪転しの段 / 山科閑居の段
十段目 天河屋の段
十一段目 花水橋引揚より/光明寺焼香の段

床も手摺も時代物らしいロック感満載で全段とても良かったです。

お席2列16番にて

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山科閑居の段

あんたとこのご主人お父さん賄賂野郎やんと
お石に本蔵をコケ落とされた挙げ句
力弥との祝言を断られた小浪&戸無瀬母娘が
もう死んだるわ!と母娘心中の仕度を始めた所で
お石が祝言さしたるさかい本蔵さんの首頂戴と三方を持ち出し
そこにやって来た本蔵が何ぬかすねんこのオバハンと
お石をボコって組み伏せた所で力弥が薙刀で本蔵の腹を突く。

そこに由良之助登場し
「本蔵はん力弥に殺される目論見達成やなあ」

本蔵は虫の息で「あん時はすまんかった。僕死ぬし。
可愛い娘、祝言さしたって。引き出物もつけるさかい」
と吉良邸の図面を差し出し力弥と由良之助は大喜び。

由良之助は吉良邸へ入り込む手段を披露し
討ち入りの成功を確信した本蔵は息絶える。

亡骸にすがりつく戸無瀬の傍らで
小浪と力弥はお石の酌で三三九度。
祝言をあげた2人はそのまま夜伽の別室へ。
そして由良之助は虚無僧姿に変身し
ほな先に堺行っとくわノシ

で、この段は幕になります。

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はっきり言うてクレイジーです。

血しぶきが飛び散った血まみれの座敷で
父親の亡骸に母親がすがりついて泣いてる隣で
父親を殺した男と娘は祝言をあげ喜んで夜伽に向かうとか

登場人物全員ロックで狂ってる。

でも泣いてしもうたんです。
特に本蔵が刺されたあとは、どうしようもなく悲しいて
ボロボロと涙を流しておりました。

千歳さん、富助さん
藤さん、藤蔵さん
和生さん、玉男さん、勘十郎さん、勘彌さん
一輔さん、玉佳さん

床も手摺も最強の布陣で素晴らしい一段を堪能させていただきました。
有難うございました。

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天河屋の段

「天河屋義平は男でござる(`・ω・´)」で有名な一段です。

口、小住ンと寛太郎君はとても強くてカッコ良かった。
お若い2人の浄瑠璃が強いと凄く嬉しくなりますね(*´ω`*)

奥、靖さん、錦糸さん、良かったです。

玉也義平、凄くカッコよかった。
バッチリ決まっておりました。

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花水橋引揚より光明寺焼香の段

雪景色の中、本懐を遂げた浪士たちが一列に並ぶ
大序と対になったようにも思える、このシーンは壮観です。
ここでやっと玉志さん若狭助、馬に乗って登場(*゚∀゚)=3
美しかった。

ズラッと並ぶ浪士の主遣いはお若い方が多くて
左はお師匠さんや兄弟子の皆さんが遣うてはるんかな
などと考えて勝手にドキドキしておりました。

玉男さんの由良之助は、八段目から十一段目まで
ずっと静かな動きの中で、多くの事を表現されていた。
お見事でした。

お浄瑠璃も揃っていて良かったです。
碩君、よいお稽古をされているようで何より。
咲寿君も、調子を戻して来たようで嬉しく思います。

今回の忠臣蔵は、若手太夫の皆さんが良く語ってらした。

皆さん益々ご精進あそばして、
良い太夫さんになって下さいね(*´ω`*)

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忠臣蔵の三分割公演は、当初いろいろ言われていましたが
ウチのように堪え性のないモンにとっては有り難い公演形式でした。
途中、時間があくことで自分なりに情報も補えますし
これはこれでアリかなと。

技芸員の皆さんは、春、夏、秋を通して
忠臣蔵モードを維持せなアカンので
大変やったと思いますが、
おかげで、素晴らしい千穐楽を
存分に楽しませて頂くことが出来ました。

皆さんお疲れ様でした。
有難うございました。

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初春公演のチケットは今日予約しました。
好きなお席です。
配役の一番最初に玉志さんと三輪さんが並んでるのが
個人的にとても嬉しい(*´ω`*)

来る年も、良い文楽になりますように(^人^)


11月21日は国立文楽劇場へ
文楽公演 第一部「心中天網島」に伺いました。

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心中天網島は、亨保5年に起きた心中事件を題材に
晩年の近松門左衛門が書き上げた浄瑠璃です。

既に心中を決意している2人と、なんとかして止めよう、
命を救おうとする周囲の人々が織りなす人間模様を描き出した傑作で、
多くの方々が、この浄瑠璃について、研究論文や解説、コラム、
エッセイなど、様々な形で考察、感想を述べていはります。

私も文楽を観る前に、数冊、関連書籍を読んでから伺いました。

すでに日が経ってしまいましたが感想を下記に少しだけ。
お席1列16番にて

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心中天網島 
河庄の段


この段は紋日の北新地から始まります。
お三味線のツヤっとした賑やかさ、浮かれた様子とは逆に
太夫の語りは、冒頭から、小春の死を暗示します。
始まりと同時に、結末を観客に聞かせているのですね。
そんな不穏な空気が漂ったところに、小春が静かに登場します。

そこから先は、小春と孫右衛門のやり取り、
治兵衛のDV、本心を偽る小春の悲しみなど
最初から最後まで、しんどいシーンの連続なんですが

幸いに(なのか)、途中、ジャイアン太兵衛と善六の
クソ憎たらしいコミカルなやり取りが、一息つかせてくれます。

花車や後輩女郎、下女など、脇役一人ひとりのキャラも立っていて
語り分ける太夫さん、お三味線さんは大変やろと思うのですが

織さん、清介さん、ヨカッタです。
口三味線は笑いました。おかげで和みました。

津駒さんと清治さん、とても良かった。
清治さんのお三味線は、いつもながら華麗で
悲しみにくれる小春の涙が、キラキラと輝いて
落ちる様が見えるようでした。

人形は、まず、簑助さん小春。絶品でした。
お師匠様が使う小春に、お弟子さんである
勘十郎さん治兵衛がビンタを食らわす
あのシーンは、色んな意味でドキドキした(;・∀・)

簑二郎さんの小春も、もちろん良かったです。

勘壽さんが太兵衛をお遣いになられていたのは驚きでした。
こういう役も遣わはるんやなあと。

勘壽太兵衛、清五郎善六コンビは
絵になっていて、見ていて楽しかったです。

紋臣さんの花車はとても良かったです。
原作を読んだ時、正直、花車は印象が薄く、
相関図にも載せなかったのですが
ここまでキャラが立ってるとは思わんかった(*´ω`*)

孫右衛門は、河庄のメインキャラともいうべき役で
静かな動きの中に、多くの事を表現せなあかんという
魅力的なぶん、難しい役どころです。
玉助さん、どうかご精進下さいますように。

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紙屋内の段

紙屋の内と外をテキパキ取り仕切るおさんの傍らで
小春と別れた治兵衛がコタツに入って昼寝しているシーンから
この段は始まります。

小春との事で色々あったけれど、治兵衛は戻ってきた。
やっと今まで通りの日常がまた始まる、と、思わせて
物語は急転直下、

小春の死を予感したおさんが、夫の面目、
女同士の義理のために、仕切り金から着物まで、
全てを投げ出して、夫の愛人の命を守ろうとします。

その時、離れかかっていた治兵衛とおさんの心は一致団結、
夫婦の繋がり、綱をぎゅっと結び直したかに見えたのですが、

怒り心頭の舅が来て、おさんを連れ帰り
再び結びついた二人の綱は解かれてしまいます。

とにかく登場人物も多いし、場面転換も動的で、
簡単に筋を書いてるだけで疲れるような
ダイナミックな一段です。

人形は、とても良かった。

この段のメインキャラはおさん。
清十郎さん、素晴らしかった。
「そうや!これがおさんや!」と、
思わず心の中で、つぶやいておりました。

舅五左衛門の玉輝さんも良かった。

勘十郎さんの治兵衛は勿論です。
コタツに入って涙を流す、あの表情が何とも色っぽく
「これは小春も惚れる罠」と、思うてしまいました。

大和屋の段

満月の真夜中、透き通った冷たい空気の中で
治兵衛は小春と、心中の段取りを取り付け
全ての支払いを済ませます。

心中を心配する孫右衛門は、丁稚に勘太郎を背負わせ
大和屋を訪ねますが、治兵衛を見つける事は叶わず。

その姿に手を合わせ、治兵衛と小春は心中へと向かうのです。

咲様、燕三さん、素敵でした。

咲様のお声は、すっと劇場に響いて
燕三さんの、お三味線とともに
劇場を、透き通った冷たい夜に変えてしまいます。

そこで起きている出来事は
切なく、儚く、悲しいのですが
禊のような美しさを感じておりました。

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道行き名残の橋づくし

この道行きは本当に美しい。

原作に登場する橋を、全ては謡いませんが、
舞台では、多くの橋を超える様子が展開されます。

三輪さんがリードするお浄瑠璃は本当に美しく
うっとりと聴いておりました。

いよいよ心中で、治兵衛に手を合わせる
小春の表情は、何とも言えず良かった。
今も思い出してしまうほどです

なのに、ラストシーンはどこか現実的で生々しく
2人は苦しみの中で死んでいく。

このバッサリ感。いいですね。
やり切れなさを残してくれる。

見事なエンディングにございました。


*********

文楽はここで終わりますが、原作では
2人の亡骸は漁師の網にかかって発見されます。

この結末から、
近松は2人の魂を見捨てはせんかった
最後の最後に救うたんやと、私は思うております。

*********

心中天網島は、近松が編んだ、浄瑠璃という名の網を
何度も解いては結び、解いては結びながら、
読んで、聴いて、見る事で、
観客もいつしか網の中に編み込まれていく、
そんな作品やないかなと思います。

一度では足らないので、またぜひ文楽でかけて下さいませ。
よろしくおねがいします(*´ω`*)



9月8日は文楽劇場へ
ふるさとの人形芝居2日目「淡路人形芝居」に伺いました。

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お席3列26番にて

衣装山

2月に淡路で見せていただいた山よりも大きく
とても見応えがありました。
写真撮影禁止というのも良かったと思います。
やはりこういうものは、じっくり衣装に注目したい。
着物好きにはたまらない演出です。

玉藻前曦袂
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国立国会図書館デジタルコレクション書誌ID:000000508453
玉藻前曦袂 浪岡橘平 等著 金桜堂/明治25年7月出版

道春館の段

好きな一段です。
大きな動きはありませんが、
登場人物それぞれが胸に抱えた思いをしっかり表現されていた。

人形がいいですね。
淡路独特の大きな首に合わせて、当然動きも大きいのですが
それを感じさせる事なく、深く静かな悲しみを描き出す。
クライマックスでは、その大きさを存分に活かして
ダイナミックに演出する。

友庄さん、友勇さんも良かったです。

友庄さんは、2月に金殿の段を聴かせて頂いた時、
ええ太夫さんがいてはるなあと思うていたのですが
今回も変わらず、良い義太夫を聴かせていただきました。

少し話しがそれますが、淡路のだんじり唄は
数十人の歌い手さんが、役割分担をして、一段を歌い切る。
ソロパートは当然、皆さん全力で唄い語るわけで、
それはそれは見事です。玉三(玉藻前曦袂三段目=道春館)
金藤次のクドキなど、それだけで泣けるほど凄い。

そんな歌い手さんが山のようにいる淡路島で太夫をする、
こういう数十人の唄以上の語りを一人でする、
DNAレベルで聞く耳を持った人たちが認める語りをする
というのは、凄いプレッシャーやと思うんですが
それゆえに、淡路の太夫さんは強くなるんやろなあと
思わされたことでした。

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国立国会図書館デジタルコレクション書誌ID:024153801
安倍泰成調伏妖怪図 香蝶楼豊国,豊国

神泉苑の段

面白い。
あの大きな狐の登場から玉藻前の狐面、
そして神鏡の威力で狐退治まで。

悪役が若い娘に近づくも、実はその娘は狐で
ほなら一緒に悪さしよう、権力を掴もうと企てるも
ヒーローに神様の鏡でやっつけられるという

SFエンターテイメントの王道を行く
ケレンの世界を存分に楽しませて頂きました。

太夫の友和喜さん、お三味線の友弥さんもヨカッタ。
こういうお姫さんとか、妖狐とかのフィクションは
女義の声が登場人物にしっくり重なって
エンタメ度もパワーアップするなあと、
思わされたことでした。

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国立国会図書館デジタルコレクション書誌ID:000000506588
絵本三国妖婦伝 下編 高井蘭山 著 出版 木村文三郎 明治17年11月

狐七化けの段

狐七化け=新九郎さんオンステージ。
淡路のケレンと、新九郎さんご本人の魅力を存分に楽しめる。

お唄もとても楽しく、そしてちょっと色っぽく
こういう歌詞や、それに合わせた遣いは
世界中何処へ行っても楽しまれるやろなあと思いながら、
聞いて見ておりました。

エンディングは、まさかのフライングフォックス。
華やかな幕切れに、劇場中に拍手が響き渡った。
お見事でございました。

床も皆さん、しっかり揃っていてヨカッタです。

人形は、新九郎さんの見事な遣いに引き込まれるのはもちろん
遣い手さんご本人の魅力も凄いというか。
人形の遣いに重ねて、遣い手さんにまで色気を感じるやなんて
こんなこともあるんやなあと、正直びっくりしてしまいました。

新九郎さんは、人形遣い+役者の両方をなさってるんかな
それはそれで、素敵な事やなあと、思わされた事でした。


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淡路の人形芝居が文楽劇場でかかるのは
今回が初めてということで、
劇場の大きさを生かして、
どんな演出をなさるのか
とても楽しみでしたが、
期待以上に、楽しませて頂きました。

またぜひ大阪、文楽劇場で
淡路のケレンを存分に楽しめますように(^人^)

淡路人形座の皆さん、有難うございました。




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