9月8日は文楽劇場へ
ふるさとの人形芝居2日目「淡路人形芝居」に伺いました。

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お席3列26番にて

衣装山

2月に淡路で見せていただいた山よりも大きく
とても見応えがありました。
写真撮影禁止というのも良かったと思います。
やはりこういうものは、じっくり衣装に注目したい。
着物好きにはたまらない演出です。

玉藻前曦袂
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国立国会図書館デジタルコレクション書誌ID:000000508453
玉藻前曦袂 浪岡橘平 等著 金桜堂/明治25年7月出版

道春館の段

好きな一段です。
大きな動きはありませんが、
登場人物それぞれが胸に抱えた思いをしっかり表現されていた。

人形がいいですね。
淡路独特の大きな首に合わせて、当然動きも大きいのですが
それを感じさせる事なく、深く静かな悲しみを描き出す。
クライマックスでは、その大きさを存分に活かして
ダイナミックに演出する。

友庄さん、友勇さんも良かったです。

友庄さんは、2月に金殿の段を聴かせて頂いた時、
ええ太夫さんがいてはるなあと思うていたのですが
今回も変わらず、良い義太夫を聴かせていただきました。

少し話しがそれますが、淡路のだんじり唄は
数十人の歌い手さんが、役割分担をして、一段を歌い切る。
ソロパートは当然、皆さん全力で唄い語るわけで、
それはそれは見事です。玉三(玉藻前曦袂三段目=道春館)
金藤次のクドキなど、それだけで泣けるほど凄い。

そんな歌い手さんが山のようにいる淡路島で太夫をする、
こういう数十人の唄以上の語りを一人でする、
DNAレベルで聞く耳を持った人たちが認める語りをする
というのは、凄いプレッシャーやと思うんですが
それゆえに、淡路の太夫さんは強くなるんやろなあと
思わされたことでした。

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国立国会図書館デジタルコレクション書誌ID:024153801
安倍泰成調伏妖怪図 香蝶楼豊国,豊国

神泉苑の段

面白い。
あの大きな狐の登場から玉藻前の狐面、
そして神鏡の威力で狐退治まで。

悪役が若い娘に近づくも、実はその娘は狐で
ほなら一緒に悪さしよう、権力を掴もうと企てるも
ヒーローに神様の鏡でやっつけられるという

SFエンターテイメントの王道を行く
ケレンの世界を存分に楽しませて頂きました。

太夫の友和喜さん、お三味線の友弥さんもヨカッタ。
こういうお姫さんとか、妖狐とかのフィクションは
女義の声が登場人物にしっくり重なって
エンタメ度もパワーアップするなあと、
思わされたことでした。

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国立国会図書館デジタルコレクション書誌ID:000000506588
絵本三国妖婦伝 下編 高井蘭山 著 出版 木村文三郎 明治17年11月

狐七化けの段

狐七化け=新九郎さんオンステージ。
淡路のケレンと、新九郎さんご本人の魅力を存分に楽しめる。

お唄もとても楽しく、そしてちょっと色っぽく
こういう歌詞や、それに合わせた遣いは
世界中何処へ行っても楽しまれるやろなあと思いながら、
聞いて見ておりました。

エンディングは、まさかのフライングフォックス。
華やかな幕切れに、劇場中に拍手が響き渡った。
お見事でございました。

床も皆さん、しっかり揃っていてヨカッタです。

人形は、新九郎さんの見事な遣いに引き込まれるのはもちろん
遣い手さんご本人の魅力も凄いというか。
人形の遣いに重ねて、遣い手さんにまで色気を感じるやなんて
こんなこともあるんやなあと、正直びっくりしてしまいました。

新九郎さんは、人形遣い+役者の両方をなさってるんかな
それはそれで、素敵な事やなあと、思わされた事でした。


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淡路の人形芝居が文楽劇場でかかるのは
今回が初めてということで、
劇場の大きさを生かして、
どんな演出をなさるのか
とても楽しみでしたが、
期待以上に、楽しませて頂きました。

またぜひ大阪、文楽劇場で
淡路のケレンを存分に楽しめますように(^人^)

淡路人形座の皆さん、有難うございました。