6月16日は国立文楽劇場へ
文楽鑑賞教室 後半午前の部(C班)に伺いました。

2019kansyokyoshitsu

鑑賞教室は配役が4パターンに分かれています。
全パターンご覧になる方も多いのですが
私にはそんな贅沢は叶わず。
配役は絶妙で、どれかひとつに絞るのはとても難しいのですが
悩んだ末、今回はC班にした次第です。

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五条橋

楽しい演目です。
お三味線が軽快で心地好い。
弁慶・牛若丸も良かったです。

解説・文楽へようこそ

太夫・三味線・人形
三業すべて超のつく真面目なお三方で(ノ∀`)
これほど真面目な解説は初めてでした。
お客さんの人形遣い体験がなかったのはちょっと残念。
時間的に難しいなら仕方ないですね。

菅原伝授手習鑑 四段目 

寺入り

寺子屋の前の、とても大切な場面ですが
少し難しかったでしょうか。
人形は無邪気さと乱雑さが混じり合っていた気がします。

寺子屋(四段目の切)

織さんVS藤蔵さんのど迫力ハードロックから
靖さんVS錦糸さんの情深い浄瑠璃まで、
違うタイプにも関わらず不思議とドラマはひとつに繋がって、
随分と聴き応えがありました。

この前と後の落差があったからこそ、
後の悲しみがじわじわと増幅した。

玉志松王丸、玉佳源蔵、一輔千代、堪能いたしました。
玉志さん松王丸、あの表情、あの動き、あの涙。

 ーアノにつこりと笑ひましたか/\、
  ハヽヽヽ。
  ハヽヽ、ハヽヽハヽヽ、ムヽ。
  ア、アハヽヽヽヽ。
  出かしをりました。

松王丸が首を差し出した我が子を出かした!と笑う
その笑い声に客席が咽び泣く。

いつもいつも繰り返し書きますが、
玉志さんという方は本当に上手い。
決して華美に走らず、アートに走らず
静かに、けれど十分に、その役の心根を表現する。

玉佳さんもそういうふうに遣われているようにお見受けします。

このお二人のコンビは、初春の、阿古屋琴責の段でも感じましたが
静かで上質な魅力がある。阿古屋の左を遣っていはった一輔さんが
今回は千代として、そこに加わった。

駕籠の扉の隙間から小太郎の亡骸に手を合わせる
千代と松王丸の後ろ姿の悲しさよ。
人形は背中で泣かせます。

菅秀才・御台所母子の再会、
松王丸夫婦は我が子と今生の別れ。

生きる母子は色鮮やかな着物を纏い、
葬る息子、送る夫婦は色の無い白装束。

  いろは書く子をあへなくも、散りぬる命、是非もなや。
  明日の夜誰れか添乳(そえぢ)せん。らむ憂ゐ目見る親心、
  剣(つるぎ)と死出のやまけ越え、あさき夢見し心地して、
  あとは門火に酔ひもせず、京は故郷と立別れ、鳥辺野指して連れ帰る

いろは送りは本当に美しかったです。
この曲が、この人形が、これほど美しいということを
今回初めて知りました。

鑑賞教室とは思えぬ、十分に本公演級の素晴らしい文楽でした。
有難うございました。