10月26日は午後から文楽劇場小劇場で開催された
第7回伝統芸能講座「文楽人形の衣装と人形拵え」に伺いました。

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▲曽根崎心中 お初の着物(天満屋の段)

第一部「文楽人形の衣装について」

舞台いっぱいにディスプレイされた人形用の反物や
衣装の実物などを使いながら
国立文楽劇場 企画制作課文楽技術室の米田真由美さんから
衣装の反物や仕立て、段取り、人形遣いさんからのリクエスト
その他もろもろ興味深いお話を伺いました。

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これは江戸時代の裕福な家のお嬢さんが背中につける飾りです。
お染久松のお染めちゃんが付けてます。
こういう刺繍は昔ながらの伝統刺繍を守る会の方が
しつらえて下さるそうです。

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女殺油地獄 河内屋与兵衛の衣装です。
この柄の木綿(結城木綿 言うたかな?聴き間違ってたらすみません)は
もう織られておらず、オーダーとなるとかなりのコストになってしまうため
今では同じ柄のプリント木綿を使っているそうです。

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少しまとめておきましょう。

・人形の反物は人と同じ反物幅、柄は1/2サイズ。
・その反物の半分の幅で衣装を仕立てる。
・身幅は男・女・子どもで基本3パターン。役によって丈を変える。
 (これは帰りしなに若い衣装方さんに伺いました
  聴き間違ってたらすんません(;・∀・))
・着物のサイズが違って見えるのは人形拵えの技
・背中には人形を使うための横開き穴
・全体に綿が入っている
・綿の入れ方には人形遣いさんからリクエストもあり
・汚れたら新しいのを作るけれど、使い込んで汚れた物のほうが
 色々こなれて人形遣いさんは遣いやすい。

他にも色々なお話を伺ったと思います。
また帰りがけには手にとって衣装も見せていただきました。

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▲心中天網島 おさん の着物(やと思う(;´∀`))

文楽はユネスコの文化遺産ですが
その衣装を制作するというお仕事は
世界的な文化遺産を支える知的財産そのものです。

大変な事も多いかと思いますが
ぜひぜひお気張りいただいて
良い衣装を作り続けていただきたいと思います。

また、お若い方の育成も良い方向に進みますように(^人^)

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第二部 玉男さんの「人形拵えについて」

良弁僧正の人形拵えを実際になさっている動画を見ながら
玉男さん御本人から解説をしていただきました。

・針は布団針
・糸は木綿糸4本をより合わせた糸(四子)
・要となる棒衿をつけるのには20分くらいかかるそうです。

後は人間が着物を着るのと同じようにして大切な箇所を糸で止めながら
人形をこしらえていかはります。

誰かに教わるのやなしに、師匠のなさるのを見て
また、衣装をバラす時に止めている場所などを確認しながら
自分なりに人形拵えというのを覚えていかはるそうです。

役が多いと、また、役の衣装が多いと
一公演でも凄い数の人形拵えとなるそうな。

人形遣いさんが時々針で指を突きながら
このようにしてビシっと拵えられた人形やからこそ
文楽が楽しめるんやなあと感激しておりました(*´ω`*)

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帰りしなに劇場一階で展示中の「文楽人形の衣装の美」も
見せていただきました。

お話を伺った前と後とでは見方が全く違います。

すごくエエ展示やなあと思いつつ
やっぱり文楽エエなあ、人形のお着物エエなあと
うっとり楽しませていただいた事でした。


出演者の皆さん、ご担当者の方々、
この度はお世話になりました。
有難うございました。