【出典】
「文楽の研究」(三宅周太郎著)「文楽の研究」(三宅周太郎著)
中の巻・文楽人形物語並びに終戦後の文楽その2-1、人形遣ひさまざま。

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初代玉造さんは生涯で2つほど大喧嘩をしていらっしゃいます。
第一が江戸生世話役者の開祖、四代目市川小団次さんとの衝突。

当時玉造さんは文楽で様々な仕掛けに才能を発揮していたのですが、
この工夫を歌舞伎が借りてはどうかとの話しになった際、
小団次はこれを良しとせず玉造を思い切りバカにします

人形遣いをバカにされて玉造は怒ります。すぐさま文楽座に駆け込み、
自分を助けると思うて米十郎(小団次)と同じ昼ぬけの所作をやらしてくれと
涙ながらに懇願、座もこれを許し、次の興行で玉造初役の宙乗り、
そして同じ「昼ぬけ」の所作で文楽、歌舞伎ともに初日をあけます。

この興行は玉造の人形が米十郎以上と喝采を浴びました。
後年、玉造は多くの仕掛けに工夫をし、早変わりや宙乗りの基礎を築きます。
今の文楽で私たち観客を楽しませている多くの仕掛け、その芽生えには
玉造のこのような苦労と、人形遣いとしての基礎があったというお話です。

ところで「昼ぬけ」とは何でしょうか?調べてもまったくわからん(;´∀`) 
この文章を読むところ上から下りて早変わりする、みたいな感じでええのかな?
わからんわ(;・∀・)


文楽の研究 (岩波文庫)
三宅 周太郎
岩波書店
2005-08-19