2013年8月5日大阪国立文楽劇場
夏休み文楽特別公演 名作劇場

■妹背山女庭訓

【井戸替の段】【杉酒屋の段】【道行恋苧環】
【鱶七上使の段】【姫戻りの段】【金殿の段】

お席:3列11番にて

チラシ(表)  チラシ(裏・配役) 

【あらすじ】
杉酒屋の娘お三輪は隣にすむ恋仲の求馬のもとに高貴な女性が訪ね来るのを知り、
求馬を責め女性と争います。ワケありの女性は時間が来て去りますが、求馬は後を追い、
またお三輪も二人を追いかけます。
求馬は赤い糸を女性に、お三輪は白い糸を求馬につけて互いを追い、たどり着いた先は
なんと蘇我入鹿の屋敷。高貴な女性の正体は入鹿が妹、橘姫。そして求馬は宿敵、
藤原鎌足が嫡男、淡海。求馬は夫婦になりたければ入鹿を打てと橘姫に言います。
何も知らないお三輪はただ求馬を追いかけ御殿に入り込み、その一途な恋心ゆえの
悲劇がおこります。




昨日はお隣3列12番の方が道行のあとお帰りにならはったのでお席を拝借し
最高のコンディションで鱶七上使、姫戻り、そして金殿の段を楽しませて
いただきました。

金殿の段はほんまに、悲しく切なくそして大迫力。
咲大夫さんの義太夫、勘十郎さんのお三輪に、涙涙でございました。


【MISAO's レポート】


■井戸替えの段

千歳大夫ほんまに楽しくおもろくよろしゅうございました。
このお方はこういうにぎやかしい浄瑠璃がホンマにエエ。
思わずこっちまで踊り出したくなってしまうほど。
人形も愉快に舞台袖から掛け声かける皆々様も賑やかに、
大坂らしい楽しいエエ段でございました


■杉酒屋の段

勘十郎お三輪の、そのおぼこゆえの悋気が可愛らしくもあり、いじらしくもあり。
橘姫の所作と比べて女らしさとしては雲泥の差こそあれどちらも可憐で美しく。
(ホメ言葉です。人形遣いが見事で育ちの違いがほんまにようわかってよかった)

そんな娘盛りの乙女心をもてあそぶ求馬の優柔不断っぷりに、
こいつイッパツかましたろかと思うほど、
英大夫さんの義太夫と和夫さんの求馬はよろしゅうございました。

しかし和夫師匠凄いな(@@) 
昼はイケメン優男求馬、夜は汚れ役義平次。
これをずっとやってはるねんで。

豆腐の御用で勘壽さんが出てきはるのも凄いけど
ほんまにこの人凄いわとただひたすらに感謝感激。


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※産経新聞:文楽に逢う【妹背山婦女庭訓(道行恋苧環・金殿の段)】



■道行恋苧環

道行は三人三様のフラストレーションダンスダンスダンス。
なかなかに美しいものでございます。
苧環を扱うシーンはほんまにお見事でございました。


いよいよ休憩をはさんで鱶七上使、姫戻り、そして金殿の段。

一人で遣う「大ぜい」の人形から主役級まで勢ぞろい。
三段息をもつかせぬ見事さでございました。


■鱶七上使の段

津駒大夫の見事見事な謳いっぷり、人形の動きの少ないこの段をぐっと引き締め
思わず観客から拍手が漏れる。
玉也鱶七も迫力満点。なかなかの豪傑っぷりでございました。


■姫戻りの段

ここは橘姫と求馬の独断場なれど、清十郎さん、和夫さんの美しい絡みに
ほうと胸をなでおろし。

いやしかし、それではお三輪はどないなるねん?とドキドキしつつ
ついにやってきましたクライマックス


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※国立劇場2013年2月公演チラシより


■金殿の段

咲大夫のそれはそれはお見事な語りっぷりと、幼過ぎて一途過ぎて
ストーカーと化したお三輪の悋気がいじらしい。

御殿の意地悪昔女子どもにもてあそばれて、身も心もずたずたになりながら、
それでも求馬に会いたいと思うその健気さ可愛さ恐ろしさ。

なんで同じ人形やのにこないに顔が変わるねん。
やっぱりこれ生きてるのと違うのか。

ほおずき持って寺子屋から帰ってきた、あのおぼこ娘がこないに狂うかと
その姿に背筋を凍らせた瞬間現れたるは鱶七。

お三輪の裾を踏み、まるで狂った大蛇のごとくにらむお三輪の脇腹をグサリ。

この娘は幼く一途過ぎたゆえにストーカーになってしもただけの、ただの田舎の
酒屋の娘です。それが終いにはこんな武士の嫁はんみたいな死に方をせんならんとは
あまりにもやるせない。

咲大夫の悲しく切ない語りっぷりが静まり返った劇場いっぱいに響きわたり、
偉丈夫鱶七、こと切れるお三輪、その対比が見てはおれんほどにすさまじく
なんと殺生な、可哀想なことやと、おいやいおいやいと泣きながら、
やがて幕は降りていくのでありました。


お見事な千穐楽でございました。


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この日の夜は家で芝居見物ふう松華堂弁当なんぞをいただきました。

高島屋さんでお惣菜を買うことはあっても
こんなん買うたん久々というかもしかして初めてかも((^^;

おいしゅうございました。


11月には伊賀越道中双六、通しでかかります。

朝10時半から夜9時前までぶっ通しでやるという
耐久レース並みの凄まじい狂言ですが
(というか、文楽って本来そういうもん)

これも楽しみです(^^)


あらすじで読む名作文楽50 (ほたるの本)あらすじで読む名作文楽50 (ほたるの本)
(2005/06/01)
高木 秀樹、青木 信二 他

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