4月21日(土)は鬼鳥庵(きちょうあん)の文楽座学
『「本朝廿四孝」聴きどころ見どころ』へ伺いました。

先生は帝塚山大学の後藤博子先生。
とてもお若くチャーミングな先生です。
文楽座学のレクチャーも、今回が初めてということでした。

4月文楽では
3段目
桔梗ヶ原の段
景勝下駄の段
勘助住家の段(5代目玉助襲名披露)

が、上演されています。

本朝廿四孝 丸本はこちらからご覧頂けます

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レクチャーは

・作品の歴史
・過去の評価
・物語の下敷きと全体像
・人物相関
・主要登場人物

これらを基礎知識としてご説明頂いた後で
三段目に至るストーリーを丁寧に解説、
そこからじっくり三段目、特に勘助住家の段について
お話いただきました。

以下は私のメモです。

・下敷きは川中島の合戦
・勘助住家は軍師山本勘助誕生の物語
・家族が互いを思いやりウソをついた結果生まれる悲劇と明日への希望
・女賢しゅうして牛売り損なう
・省略された本文

お話はとてもわかり易く、先生ならではの視点も伺えて良かったです。

母親が横蔵ばかり可愛がり、慈悲蔵に冷たく当たったるのは
景勝のために横蔵のクビを差し出させる腹づもりやったから。(たぶん)

横蔵が偉そうにブイブイやってたのは、
将来家族と敵対せざるを得んのがわかってて
その時に弟や母親が気遣いせんようわざとやね。(たぶん)

お母さんはエエ人やし、初代勘助の妻らしくそれなりに賢いとは思うけど
軍師山本勘助の前では所詮「女賢しゅうして牛売り損なう」の典型やな(ノ∀`)アチャー

みんながみんな家族を思いやって心にもないウソをついた結果、
死なんでエエ我が子を殺してしもたりと、悲しい事も起こりますが
そのへんでがっつり泣かせて頂いた後で
勘助の視野の広さ、軍師としての度量、人物の大きさを思い知らされ
最後はうおおおおお!双方ガンバレ!と声援を送ってしまいそうになる
喜怒哀楽たっぷりの素晴らしい一段やというのがわかりました。

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三段目で床本から省略されているのは下記ということです。

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「山城大きに感じ入り、「信玄景勝不和なるも、互ひに心を疑ひ合ふ、忠臣の割符を合はすが如し。君御在処(ありか)知るゝ上は、景勝公の言訳立つて身代はりにももう及ばぬ。追付け両家和睦の基(もとい)」「成程々々、最前裏で直々に様子を聞いた。信玄公と勘助様言ひ合はせのある事は、一家中へもお隠しあれば、夫高坂も露知らず。抱えに来た慈悲蔵殿は思ひも寄らぬ長尾の御家来、君の御事初めて聞いた使ひの面目、この上なし」と悦びの、中に嘆きは一人の孫、「かう心が解けるなら、仕様模様もあらうもの。この婆が偏屈から信玄方の恩受けては立たぬと言ふた一言で、直江が手にかけ殺しやつたは、すなはち母が殺した同然。コレ/\/\嫁女、許せ」「アヽ勿体ない。乳房に離れて死ぬる命、思はず知らずお主様のお役に立つたも因縁」と、泣かぬ顔するいぢらしさ。」
*******

「これがあったほうが互いの気持ちがわかってエエような気がするんですが」
みたいなことを先生は言うていはりました。(間違ってたらすみません)
ウチはまだ3段目そのものを聴いた事も見たこともないので何とも言えんです。

浄瑠璃でこんだけの文字数なら、結構時間がかかると思います。
でも、時間の都合だけで省略するとは思えんし。わからんですね。

本朝廿四孝は4段目の切、十種香や、奥庭狐火の段など
スーパーフィクションなシーンが有名です。
勘助住家の段は、そういうものはありませんが、
浄瑠璃の核である情そして複雑な人間模様が
たっぷり味わえる素晴らしい段やと思います。
襲名披露にふさわしい

勘助誕生=5代目玉助誕生やね。

私は今週伺う予定にしてます。
めちゃめちゃ楽しみです(*´ω`*)

今回の文楽座学、先生、お世話下さったスタッフの皆様、ありがとうございました。